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□(京夢)
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どなたか傍にいてくだされば、人は自分の存在の確信に満たされる
嫌いなやつなら特に
嫌いなやつが俺で
俺をトラウマに誰かが狂えばいぃ
存在理由は自然とどんどん深くなって俺を認めせざるを得なくなる
居場所があればどんなことしてでもやる。
死なんていつだって覚悟してるんだ
ただ死ぬ間際に貴様らに俺の存在を刻みつけるのが俺の野望
俺が死んだあとも、やつらが俺でトラウマになるように。
それなのに
俺に愛を教えたのは誰だ。
生きたいと願う俺がここに居る
やめてくれ
俺に愛なんて必要ないのに
「 京くん 」
「ん?」
「京くん…」
「何や…」
「…………いた…」
「………」
存在を確かめるように
言葉で俺を探る
右手は常に布団のシーツを離さないでいて
つか俺の着ている衣服だと勘違いしてて…
うつろうつろ眠たげな重い君の瞳はもう俺を映してないだろう…
けれど意識がある以上言葉は身勝手に俺の名前を呼び続ける
「……京くん…」
「………ん…」
「………いた…」
「…さっきも言ったでそれ…」
「……へへ……そ…か…」
「…………」
幸せそうに眠りに入る彼女の寝顔を見ながら
考える…
これで 生きたくないと思えるか …
俺を必要としてくれてる人がいる
何度も俺を確かめて
俺が居なくなることを神経質にも怖がって
これで 生きたくない と思えるだろか …
「………」
こんな静かな夜はやけに胸が熱くなるんだ
特に君が俺に訪ねる夜は。
無償にわからなくなる。
自分はなんなのか。
それでも
俺に愛を教えた君。
「
………… 愛しています。
………… 心から 。」
いつか…
逆に俺が君に訪ねる日が来るように …
今一度
生きてみる
そんな俺が
俺に訪ねる。
…… end ──