聖なる炎と陛下と仲間達
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「ネイス博士、カーティス大佐がお呼びです。至急、カーティス大佐の執務室に来て下さい。」
そう言われて何かある、とディストは直感的に悟った。
ディストの今の立場はマルクトの反逆者だ。その彼は、囚人用と言う名の彼の研究室にて日々黙々と、世界から無くなりつつある音素の研究をしていた。
そんな彼に。
一度も、会うことも、話す事も無かったあの彼が。
あの、ジェイドが。
「……わ、わかりました。」
どうせ否んだ所でジェイドを怒らせるだけだ。かつ、サンダーブレードでも打たれ、笑顔で詰問と言う名の仕置を喰うに過ぎない。
それならば、行くしか自分には道はないのだ、とディストは理解していた。
余りに血の気のない兵士に、折角ジェイドに会えるチャンスなのに、あぁ行きたくない、と思いつつ呼んでいると言う相手の部屋へと背中を丸めながら向かった。
世界に一つだけの花ー2
「おや、遅かったですね、サフィール。」
「ジェイ「エナジーブラスト!!」ヒギャァ!!」
入るのを一瞬躊躇いつつも覚悟を決めて入ればにっこりと冷たく笑いかけてくる相手につい条件反射で満面の笑みを浮かべて近付けば、容赦なく譜術を喰い、ゴロゴロと転がって扉に強かに頭を打ち付けた。
「ひ、ひど……」
「貴方と戯れる為に呼んだわけじゃありませんから。非常に迷惑なので止めて下さいね?」
にっこりと笑いながら言う相手のその顔があまりに怖くてディストはつい、正座でハイ、と答えてしまったのである。