6万打記念小説

□SAV!!2
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「さて、そこの暇じ……ユーリ・ローウェル君。今暇ですよねぇ?」

にっこり。
先に暇人と言いかけておいて暇かと聞くのはどこの腹黒だと思うも、その腹黒は目の前にいる。
取りあえず呼ばれてしまったものは仕方ないと、いつの間にか居なくなっていたフレンとシレイヴンの二人を探しに行こうかと思いつつパフェを食べていたユーリはため息をついたのだった。

























!!2



















「で?暇人かって何の用事だよ」

「いえ、ただ聞きたい事とついでに手をお借りしたいもので」

「手?」

にこにこと笑う男の後ろには同じように暇かと暇なのを理解して声を掛けられたのか紅い髪のゼロスと名乗った男がいて。
更にその横にもう一人、見た事の無い眼鏡のながひょろい男がいた。
そちらに目線を一度向けるとユーリはもう一度ジェイドに視線を戻す。

「えぇ、我らが偉大な皇帝陛下の頭にまたウジ虫が湧いたようでどこかに脱走をしてしまったみたいなのです。なのでちょっと捕縛にかかりたいと思うのですが何分偉大な方なのであまり回りに知られたくなくて……」

「…………」

本当にいなくなったのは偉大な男なのか、とユーリは思う。
言葉遣いは丁寧なものなのに内容はと言えば決して丁寧なモノではなく寧ろこれでもかというほどに貶し言葉を含んでいて。
ユーリは無言で言いたい事を存分に含んだ視線を向ければ後ろのゼロスも同じような顔をしてため息をついていた。しかしその二つの視線を受けてもジェイドは至って平然としていたが。

「勿論、手を貸していただけますよね?というか、そっちの洟垂れが貴方のお仲間を連れていたのを見ていたので、もし手を貸していただけないなら二人のこれからの人生に大きな穴を開ける事になるかもしれませんが」

もとから断る道はないんじゃないかよ、てか世界は違うにしろ何をしているんだ騎士団団長と隊長主席!!とユーリは内心思いつつ、元から断るカードを提示していなかった相手にユーリは渋々と腰を上げるのであった。

歩きだしたユーリに「お気の毒さま」なんて声をかけてくるゼロスにユーリはもう一度溜息をつく事しか出来ないのであった。











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