6万打記念小説

□Who Is The BestUnhappy?
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「ほら、早く歩けよ!!」

「ぐずぐずすんなぁ!!!」

怒声が小さな酒場いっぱいに広がる。
夜も遅くの時間、その酒場は不幸にも強盗を目的とした一段に目を付けられ、7、8人の盗賊に占領されてしまった。
いつもならばギルドの人間が太刀打ちしてかえり打ち……という所なのだが、今回はそうもいかなかった。


何故なら。




















「………なんで、俺さま達こんな所に遭遇しちゃうんだろうねぇ」

「さぁ、おっさんには何とも……」




























Who Is The BestUnhappy?















「ママ―!ママ―っ!!」



どこで攫ってきたのか泣き叫ぶ子供とウエイトレスを人質にしていたのだ。


その上、夜も遅く殆どのギルド員は酔い潰れてぐったりしてるか足もふらつくものばかり。
今日の酒場はやけに盛りあがっているなぁ、と二人で見ていたのだが、その原因はこの盗賊団が度の強いモノばかりを回りに景気良く奢っていたからで、更にその理由はこの強盗にあったらしい。

泣き叫ぶ子供や震える女性を盾にされ、更に酔いで上手く身体の動かないギルド員は立て付くものは簡単に床に押し付けられ殴られて気絶。
バーテンもそんなに腕が立たないらしく、端で手を上げて降参のポーズである。






そんな中に、ゼロスとレイヴンはいた。



と言うのも、仲間であるユーリとフレンの話をしたいが為に、二人は宿屋を抜けてはあまり人も少なく話す場所には打ってつけという言う酒場に来て互いに想いの内を吐き出していた所だったのだ。


話の内容と言えば、ユーリが最近ゼロスにだけ、いい笑顔で試合をしたいと何度も申し出てくるとか、断ったら断ったで傍から離れなくなっていたりとかの話だったり、フレンはフレンで何度行ってもシュヴァーンと呼んでくるし、尊敬のまなざしできらきらとした目で見てきては何をするにも「流石です!!」とか言って来て正直大変とかそんな話なのだが。
互いに嫌々のように話すも、ユーリの奴ったら、とかフレンちゃんはもー、とか、何処か嬉しそうに己らが話しているのに互いに気が付き苦笑をしては互いにこれではただの惚気なのでは、と思うくらいに感化されてて、それでもいいか、なんて思い始めていた時に、突然に騒がしくしていた一味が動きだしたのだ。










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