聖なる炎と陛下と仲間達
□怖い話
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「そういや、ジェイドは怖い夢って見たことあるのか?」
そのルークの何気ない一言のせいでこんな怖い思いをしてしまうなんて、このときここにいたパーティーの誰もが思っていなかった。
『怖い話』
「そりゃあ、ジェイドの旦那だって人間なんだから怖い夢の一つや二つ、見るんじゃないか?」
「そうですわよ、ルーク。」
今日は宿に泊まることが決まり、ティアとアニスが部屋を取りに行った間、残りの4人は宿の椅子に座ったり何だりしながら二人を待っていた。そのときにルークがふと冒頭の言葉をジェイドにといかけたのだ。
「・・・・・・まぁ、そうですね、怖いというより不快になってしまう夢なら何度か見てしまうこともあるのですが、見ないように極力努力していますね。」
くだらないと、簡単に無視することもできたはずだが、ジェイドは眼鏡を治しながら答えた。
「へぇ」と答えた事にもだが、素直に言ってくれたことに関心した声を上げたのはガイだった。
「あんたでも、そう言う夢を見るのは嫌なんだな。まぁ、そうかもしれないけど。」
「そうだな、ジェイドのことだから見てもそのまま忘れちゃいそうだモンな。」
自分なら、一旦そんな夢を見たらいつまでも引きずって寝れなくなることのほうが多いのに、とルークは思う。
ガイも心の中ではそう思っているとルークは思う。ガイの心の傷も大きいから。
だからこそ、ルークは自分と言う存在をいつでも目の前に置いておきながら、過去の失敗を自覚しながら戦うジェイドは凄いと思っていた。
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