聖なる炎と陛下と仲間達
□彼の日
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「ねぇ、お兄ちゃん」
「………何?」
「フランツの誕生日って、いつなのかお兄ちゃんは知ってる?」
「……なんでだ?」
「だってフランツ、私やお兄ちゃんやサフィールや、ネビリム先生のだって誕生日を祝ってくれたのに、私フランツの誕生日って知らないんだもん。」
キョトンとした顔で「知ってる?」と聞いてくるネフリーに対し、ジェイドは言葉に詰まった。
ネフリーは妹だから当然知ってるし、サフィールのは興味は無かったが、サフィールがジェイド自身に自ら言って来たから知識として知っている。
ネビリム先生のは、どこから嗅ぎ付けたのかフランツこと、ピオニーが祝っていたからそれも知った。
……しかし、当の彼の誕生日はと言えば。
「……知らないよ、そんなの。」
あの、何でも大袈裟なまでにパーティーにしたがる男が自分のだけ祝わない。まずそれに興味を持ったジェイドである。
『彼の日』
ピオ誕応援作品 byかび花
「ねぇ、あんたの誕生日って、何の何日?」
「……なんだよ、突然。」
興味を持てば知りたくなるのがジェイドの性分だ。
例えソレが下らないと自分で感じていても、好奇心と興味が沸いて知りたくなり、次の日の私塾にてジェイドは真っ直ぐにピオニーの席に来ると、そう問いかけた。
「お、もしかして、祝ってくれるとか?」
「知る事がイコール祝うに繋がる訳が無いと思うけど。」
「じゃあ別に知る必要ないじゃねぇか。教えても祝ってくれないなら言うだけ無駄じゃん。」
「…………」
選ぶ言葉を間違えた、とジェイドは思った。