殿下と仲間達
□キセキ2
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「えっと・・・・つ、つまり俺は今、過去にいて、・・・・で?」
「本来なら、此処じゃなくてお前の身体に精神が戻るはずだったらしい」
「そ、それがなんで・・・・」
「お、あっちか!」
「ちょっ!待って・・・・!」
なんで、こんな所に俺はいるんだろうか。
『キセキ・2』
今、ルークはガレッホ火山に来ていた。
と、言うのもピオニー陛下(今は殿下だが)が、次にそこに行くとルークを置いて行こうとしたためルークが付いていくことにしたんだが。
・・・なんせ今の状況を知っているのは、彼しかいないのだから。
「ないなぁ・・・ここら辺にいると思うんだが・・・」
出てくる魔物を倒しながら思う。
この人は一体何がしたいんだろう、と。
あちらこちらを見渡しながら、何かを探しているような陛下を見ながらルークは思う。
・・・こちとら、わけもわからずモンスターを排除しているというのに。
久々の連続の戦いに息つく暇なくアリエッタがふと顔を上げた。
「エアリル、あれ・・。」
「お、火精の腕持ってる奴がいたな!!」
「って、フレイムスピリットじゃないかよ!!!!」
アリエッタが指した先には昔、戦いにそれなりに苦労したその魔物がいて。
ピオニーは腰に背負うようにして持っていた二本の短剣を取ると地を蹴り、勢い良く一直線にその魔物に向かっていった。
慌てたのはルークだ。
折角今まで護衛していたのに。
もし、彼が怪我をしようものなら
・・・怖かった。
誰がって、もちろんそれは自分の生みの親とも言うべき相手。
今まで自分が一緒に戦い、そして歩んだこの男の親友。
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