聖なる炎と陛下と仲間達
□朝のひと時
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「ピオニー、起きなさい。」
「ん・・・・・・」
呼ばれた声になかなか起きれないのは何時もの事。暖かで眩しい日差しを避けるようにソファに丸くなれば明らかなため息の音が聞こえてきた。
朝のひと時
あぁ、どうして自分がこんなことをしなければならないのかと思う。
ディストは今しがた持ってきた資料を彼の机において、ソファで猫のように丸くなる皇帝を見てため息を付いた。
彼は、犯罪者である自分を許し、これからの研究で成果を挙げていくことを条件に自分に研究室と自由を与えた。そして、ディストもそれを受け入れた。
いや、受け入れさせられた、といったほうが正しい。
最初は全力で否定した。
しかし、その法案は彼が、ピオニーが軍部その他全てに話しに行き自分が責任を持つからと頭を下げていたということをあのブウサギの飼育係から聞いて。
そのことを全く言わないこの男に腹立たしかった。
いつも笑顔でそんな事を心にしまって。
だから、癪で仕方が無かったが、彼に乗ってやることにしたのだ。
・・・・・・が。
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