聖なる炎と陛下と仲間達

□経済効果の上で
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カコン、カコン。

ブン!コロンコンコンコン。







「だぁ!!何で打てないんだよ!!」


自分に向かってきた白くて小さな玉にルークの懇親の一撃は当たらず思いっきり空ぶってしまったことに対し、憤慨しながらルークはその手にしていた板を台に投げた。

「ははは、そりゃ最初からうまく出来る人間なんていないに決まってんだろ?」

それに対しガイは、そのルークの行動に苦笑しながら持っていた板でタンタンと己の肩を叩いた。



















今、二人がしていたのはホドでの遊びの一つである『卓球』というそれだった。
グランコクマのピオニーの元にガイが使えていた一ヶ月の間、ふとガイがホドでしていたスポーツの話が出た際、ピオニーがそれをいたく気にいってしまい、作ってくれたのだ。

もちろんそんなことに金を使うなんて、とか。
予算の無駄だとか、直ぐに飽きるくせに、とか色々周りに文句を言われていたそうだが。
ピオニーは仕事をきちんと自分の範囲を終わらせ、かつ予算にかから無いように自分で全て立ち回り、大臣などを完全に閉口させた上で本当に作ってしまったのだ。


ジェイド曰く「彼が本気を出したら本当に出来ないことは無いんじゃないかと思うことがありますよ」ということらしいが。


そんなこんなでホド発祥の『卓球』は宮殿に置かれるようになったわけだが、ここで話は終わらない。


ピオにーはグランコクマの皇帝だ。
そんな彼がしたという『卓球』。
市民の話題に上るのは当たり前で。

あっという間に市民に広がり、グランコクマのちょっとしたブームにまでなってしまったのである。
今じゃどの宿屋にいっても卓球台が置かれていて、「この戦が広がる今において、経済効果は計り知れなかった。」


・・・と、グランコクマの経済大臣が感嘆して漏らしたほどだった。


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