響き合う物語

□お勉強をしましょう
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「ゼロスゥゥウウウウ!!!!!」

「おわ!な、何だよ!!」

野宿からの生活の一段落、久々の宿屋についた一行はそれぞれ思い思いの行動を取っていた。ゼロスもまず風呂にとそのまま部屋に付くなり剣を置いて風呂に入って体の汗と土臭さを落として息をついた。

……まさにその時、突然部屋にロイドが血相を変えて飛び込んできたのである。





お勉強をしましょう





「……で?」

「数学、このページ教えてくれ!!」

部屋に入り込んできた相手にぜロスは頭をバスタオルで拭きながら問い掛けた。そんなゼロスにロイドは宿題ノートと綺麗な字で書かれた(きっと書いたのはリフィル先生だなとゼロスは思っていながら)それを前に出した。

それにゼロスはあからさまに嫌な顔をしてみせた。
なんせ、彼は勉強がとてつもなく出来ないのだ。しかもやる気がない。
前回ゼロスがロイド達イセリア組の数学を見たとき、ロイドの悲惨な結果に頭を抱えたのはついこの前のときだ。17にもなって掛け算が出来ないってどうよ、などと思ったのは記憶にも新しい。

しかし、本人は出来なくてもいいとおもっているらしいから始末に終えなかった。
まぁ、だからこそゼロスも適当に教えていたのだが。
そんな彼が自分から、しかもこっちの都合も考えずに押しかけてくるとはどういうことか。

そんな視線に気が付いたか、ロイドは決まりが悪そうに此方を見た。

「じ、実はさ……。これが出来ないと明日俺だけ遊ばせてくれないって言うか…」

そこまで聞いてゼロスはぴんと来た。
明日は街に来たのも久々と言うことでかくかく自由な時間が与えられている。ロイドは宿題を一切やらなかった為に明日までに終わらせないと1日宿題をやらされるのだろう。



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