6万打記念小説

□雪の日の
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あぁ、どうして雪はこんなにも昔の記憶を思い出すのか。
足が軽く埋まるほどの雪を踏みしめながらゼロスは下を見ながら歩く。
視界に己の紅い髪が目に入って無意識に笑みを浮かべた。












雪の日の


























「はいはい、俺さま今日は戦いたくなーい」

フラノール。この地域で吹雪いてしまえば外は真っ白になり1メートル先も見えなくなるほどのホワイトアウト現象を起こす。
そうなれば道を見失うことは勿論、仲間の姿さえも見失いかねない。
その状態で敵に遭遇すれば、奇襲を食らう事も直ぐに想像が付き、一行はフラノールでの一泊を余儀なくされた。
その後、なんとか吹雪は収まったものの、まだ雪が降る朝。
セルシウスに会いに行く為に旅支度を始めた時、ゼロスは先に手を上げてそう宣言した。

「ば……!何馬鹿な事言ってんのさ!戦いたくないからって戦わないなんて出来るわけないじゃん!!」

それに真っ先に反論したのはハーフエルフのジーニアスだった。
しかし、それに合わせていつも文句を口にするしいなは何も言わない。
それに不思議に思ったジーニアスがしいなを見れば、どう言葉にしていいかわからない、といった表情でゼロスを見ていた。

「しいな?」

「あ、え、や、何でもない!!何でもないよ?!あー……たまにはいいんじゃない?どうせ居ても役に立たないし」

「あ!!何よしいな俺さまの事役に立たないとか言いつついっつも怪我したら俺さまの愛を……」

「煩い!!」

「あだ!?」

それにジーニアスが声をかければしいなが明らかに動揺したように言葉を連ねた。しかし、それに更に問いかける前にゼロスが横からしいなの肩に腕を乗せてからかいの言葉を掛けた為にいつもの掛け合いに戻っていて。

「……まぁいいや。じゃあ今日のメンバーは俺とジーニアスと先生とプレセアな!」

ロイドも不思議に思いつつ、取りあえずは目下のセルシウスだ、と今日の戦闘メンバーを選んだ。


「よろしくロイド!!」

「回復は任せて頂戴」

「がんばります」

三人の承諾を受けてロイドは笑みを浮かべると、何かをしいなに囁いたゼロスが目に入って。
しいながそれに大人しいのに首をかしげるも、直ぐにゼロスと目が合い、投げキッスをしてきた事に軽くため息をついてから街を出たのである。






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