頂き物
□愛してる
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「ガイくーん!」
「うわ…っと、危ないだろゼロス」
バンエルティア号甲板にて海を眺めていたガイに遠慮なく抱き着くゼロス。二人が恋人同士なのは周知の事実で、片方は無意識ではあるもののその姿はいちゃついているようにしか見えず。そんな二人ではあるもののまだまだ一線を越えてはいなかった。
夜、二人の部屋にて。
元々は大人数の部屋を割り当てられていた二人なのだが、所構わずいちゃつく二人(もちろんガイは無意識)に同室のメンバーがチャットに抗議、そして貴重な二人部屋を割り当てたのである。それがまた二人のラブラブっぷりを上げているのには、見て見ぬ振りをしたのだが。
「なぁ、ゼロス」
「んー?」
カラン、とガイの持ったグラスの中の氷が音を立てる。互いに成人しているために二人は気兼ねなくこうして酒を飲むこともあった。当のゼロスは飲みながらも髪の手入れをしていたのだが。
「俺たち、そろそろ先に進んでもいいんじゃないか?」
「先に…って?」
「…言わなくてもゼロスならわかっていそうだけど」
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