6万打記念小説

□剣と忠誠と
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「よ」

「…………なんで、ここにいるわけ?」

ざわざわと、会場は人に溢れていた。
そこでゼロスは今まで作っていた顔を思いっきり崩してしかめっ面をした。その表情にユーリは笑みを浮かべると鼻をつついた。

「折角の神子様の美しい顔が台無しだぜ」

「……棒読みの台詞なんていらないし」


に、と笑って言えばゼロスは大きなため息をついて突っ込みを入れたのである。



























『剣と忠誠と』
























セバスチャンとかいうゼロスの執事のくれたらしい手紙の通り、ユーリは次の日に会場に向かった。
その先には既にセバスチャンが待機していて、来ると信じて疑っていなかったらしい相手はいつの間にか調べていたらしい己のサイズぴったりの騎士服を差しだしてきた。
自分が来なかったらどうするつもりだったんだ、つうかどうやって調べた、と疑問を素直に問いただせば、「ゼロス様の睡眠薬入りの薬を飲んでぐっすり寝ている間にサイズは調べました。貴方は絶対にくると信じていましたから」と何の感情も無い口調で即答された。
信用されているのは良いが、それでも。
と、何事かユーリが思ったのは間違いないと此処で言っておく。

そしてユーリに渡された騎士服は。

「つかそれって、名誉騎士に与えられる服じゃんよ…」

「しらねーよ、んなの」

言われてユーリは肩をすくめる。
ユーリが貰ったのは騎士団で名誉ある実績を残したもののみが着る事を許されるという服で。
ポニーテールに持ち上げた髪が、やたらに引っ張り上げられて少し痛むがそれは「きちんとした格好でお願いします。神子様の護衛ですので」と言うセバスチャンに無理矢理仕立て上げられたものだ。
その為ユーリには、このパーティーが終わるまで外すことは許されてはいない。












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