6万打記念小説

□言葉の意味
2ページ/5ページ



「……は?」

「ですから、ゼロスさんはもう別の依頼に行かれました。一緒に行ったのはガイさんとクレスさんとミントさんです」

「まじで?」

次の日、一緒に依頼をこなそうと言う約束はしてはいなかったが、最近はいつも一緒の依頼を受けているし、今日もそうだろうと何気なく依頼の情報の一切合財を受け持つチャットに今日の仕事を聞いてみればゼロスは先に出かけたとの事。
いつもなら朝、目を覚ませば起こして「おはよーさん、ユーリ君」と笑顔を見せてくれるゼロスが今日はいなかった事にも不思議に思っていたが。

「…俺、なんかしたか?」

「知りませんよ、それより今日は鉱石の採掘をお願いしますよ」

ポツリと呟けば、チャットはすっぱりと会話を切り落として己に一枚の紙を差し出してきた。


その中には今しがたチャットの言った通り、「鉱石採掘の依頼」と書かれた紙。
場所は遠いがこのバンエルティア号は空を飛ぶ事が可能だからその辺は全く問題は無いだろう。

「同行者はロイドさん、リフィルさん、アーチェさんにお願いしましたから」

……メンバーも回復、魔法とそれぞれのエキスパート付き、これならば殆ど何の問題も無く依頼は済ませるだろう。ロイドの飽き癖が出なければそれなりに早く片付ける事も出来る、そう思っていれば、


「あ、でも戦闘の後とか料理を作るならリフィルさんとアーチェさんには作らせてはいけませんよ、確実にそれだけで戦闘不能になりますから」

「……は?」

「こう言っては何ですが、2人とも極度のXXX料理人で過去に彼女らと一緒に依頼をこなしたスタンさんとリオンさんが戦闘不能になって………簡単な依頼だったのですが失敗した前例がありませんから」







「…へぇ」

それはあれか、料理の腕前が己の親友並なのが2人、パーティにいると言う事か。チャットの明らかに真面目な顔で言う言葉にウソは無いのだろうとその現場を思い浮かべてユーリは合掌するしかなかったが。
その内容にユーリは遠い目をしながら、分かったと頷けば取りあえず一度己の武器を取りに行く為に部屋に踵を返したのである。








次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ