6万打記念小説

□言葉の意味
3ページ/5ページ






しかし、問題は此処からで。


昨日の食堂での一件以来、ゼロスとの接触が極端に、と言うよりほぼゼロになってしまっていたのだ。
採掘の依頼をどうにかその日のうちに切り抜けて(採掘自体は簡単だったがその最中に古めかしい遺跡を発見してしまってリフィルが豹変、そのまま遺跡探検へと切り替わってしまった為)くたくたで帰れば夜も遅かった為かゼロスは既に一番奥のベットでぐっすりと寝ていて、ガイが「疲れて寝ちまったよ」と苦笑いに教えてくれればユーリも納得するしかなかったわけだ。が。




その次の日もユーリが起きれば既に部屋にゼロスもガイも居ない。
ガイは今日はルークと一緒に修行に出るとか言っていたからそれだと分かるが、特に用事を言っていなかったはずのゼロスもいない。
聞けばまたもユーリを置いて先に依頼に向かったとの事で、明らかに避けられていると思ったのは、またも同じパターンを繰り返したその次の日だった。











「……どうしました、ユーリ?最近機嫌が悪いようです」

「あー、何でもねぇよ」

そう思ってしまえば何でだよ、とか色々思うもゼロスは己よりも一枚上手で話を聞こうにもユーリにはその姿を見かける事も夜のベッドの中で眠るゼロスの後ろ姿しかないのだ。
朝に早起きしたくても何故か依頼が難しいのであったり、メンバーが大変だったりで結局はくたくたになってしまって起きられない。

早く起きれそうな日も何故か気が付けば昼近くまで寝てしまっているのだ。自分はこんなに朝に弱かったか?と内心思いつつ起きられなかったのだから仕方がない。今日もまた先に依頼で出かけたゼロスとは会えず、半ばいらいらとしながらユーリはエステルに会っていた。



ゼロスの顔を3日以上も見ない日は此処に来て今までに無かった事だ。
エステルに気が付かれてしまうほどに顔に出ているのかとユーリはぐしゃりと黒い髪をかきむしったのである。







次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ