聖なる炎と陛下と仲間達

□2
4ページ/5ページ




その頃。




ーーーさて、困ったことになったな。



グリフォンに連れ浚われ、グリフォンの巣にでも連れ浚われでもしたら、と考えていたピオニーであったが、着いた先はグリフォンの巣では無く古めかしい大きな屋敷であった。
そこで降ろされた(落とされたとも言うが)彼は、ガラの悪い男たちに牢に押し込められてしまった。
そしてあろう事か、そこにいたのは先ほど探していた、消えたといわれた兵士たち。
つまり、自分は先ほどのやつらに捕まってしまったのだ。

牢の中で兵士たちに話を聞けば、彼らも仕事中、テオルの森でグリフォンに捕まったのだという。ルークと一緒に居たのにも関わらず自分を狙ったと言うのは、青い軍服を標的にする様手なずけていたということかとピオニーは思った。
さらに聞けば彼らは、この屋敷に居る一派が皇帝、つまり自分を狙うそれだということも教えてくれた。
しかし、ここに押し込められたとき、男たちは自分を見ても何一つ顔色を変えなかった所をみると軍服を着た自分を”皇帝”だとは気付いてはいないのだろう。
むしろ、自分が牢に入れられた時の兵士の顔の方が凄かったくらいだ。
よく何も言わないですんだと思うくらいに。


「陛下・・・」
自分たち以外に人影が無いことを確かめ兵の一人がピオニーに話しかけてきた。
「奴らが何を考え、われらをこんな所に拉致をするのかはわかりません。しかしやつらの最終的な目標はあなたの殺害です。もし奴らがあなたの正体に気がついたら・・・」
「ああ、わかっているさ。その前にここから逃げださんとな。」
武器はすでに皆取られているらしい。自分も護身用に持っていた短剣を取られてしまっている。

向こうは武器あり。
こちらは丸腰。

向こうは頭数20前後。
こちらはピオニー含め5人。


「・・・面白い。」


にやりと笑ったピオニーは久々の大脱走が出来ると本当に面白そうに笑って思案をし始めた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ