6万打記念小説
□SAV!!2
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「………でぇ、そんなこんなで、慌てたサフィールがジェイドの所に飛び込んで行って入りざまに一発大きな譜術食らったけど、ゴキブリ並の生命力でかろうじて生きてて事の次第を説明したら、今度はインディグネイション落そうとしたから俺さまが止めてやって、探しに行く事になったってわけ」
「……へぇ」
噛み砕かれた説明に、それでもあんまりな内容と突っ込みどころ満載なそれに付いて行けそうに無くなってきたユーリは途中から考える事を放棄して淡々と話を聞いた。
話してくれたのは同じように青の軍服に身を包んだゼロスで。
ゼロスも最初聞いた時と見た時は突っ込みたかったのだろうと、ユーリは思いながら前で早く探しなさいと笑顔でサフィールという男の背中を蹴るジェイドを見る。
「……あれ、俺たちが陛下を見つけるまでやるのか?」
「俺さま、もうここから離れて女の子ナンパしに行きたい……」
「奇遇だな、俺もパフェでも食いに行きたいよ」
「どこが、どう奇遇なんだよ」
目の前のやり取りから目を反らしてゼロスがため息を付けば、ユーリも半ば遠い目をして答えた。
ゼロスの突っ込みにこれくらいのボケなら許されるだろうと変な気持が芽生えつつユーリは辺りを見渡す。
と。
「……あ?」
「ん?何……あ」
何かが、いや、確実に見知った人影に足を止めれば横にいたゼロスも自然に足を止めてユーリの見た方を見る。
そこにいるのは。
「……っピオ二ー!!貴方はいっつもどうして私に迷惑をかけながら出かけるのですか!!!」
「おやおや、こんな所にいましたか、さぁいい加減帰りますよ、強制連行されたいなら何をしてもかまいませんが」
「げぇふ!!」
「ち…もう見つかったのか」
「ち、ではありませんよ、全くどれだけ心配させる気ですか、サフィールが禿げますよ」
「サフィールなら禿げてもいいだろう、俺は無事だ」
笑顔で団子を頬張るピオニーと、困った顔のフレンとレイヴン。
その姿を確認するなり、走りだし抗議するサフィールに後から追い付いたジェイドがサフィールを横から蹴りあげてピオニーの前を陣取った。
力が存分に籠っていたらしく、横っ腹への一撃に身体を宙に飛ばしそのまま飛んで行った男に二人は一切視線を向ける事もしない。
更には、あんまりな内容の言葉にユーリもその場にいたフレンもレイヴンも唖然とする事しか出来なかった。
「いったいじゃないですか!!何をするんですかジェイド!!」
「喧しいです洟垂れ」
「そうだぞ、鼻が垂れるぞ」
「きー!!!垂れてないですよっ!!」
「……あれがここの皇帝の当たり前の光景らしいぜ。まぁ、そのうち慣れるって」
毒と刺ばかりの言葉の応酬に何も言葉が出ないユーリに、隣にいたゼロスは先にいた慣れで現状を受け入れればユーリの肩をポンと叩くのであった。
そうして、お騒がせな一件はかたづいたのである。
(俺、あんな幼馴染にはなりたくねぇな…)
(僕たちはもっと普通な幼馴染でいようね)
(てか、あれで俺さまと同じ年齢ってのが信じられない……この世界で生まれなくて良かったわ…)
おしまい!!
るい様長らくお待たせしました!!ギャグ甘と言う事でしたが…アレ、甘はどこに…?といった内容で申し訳ないです(汗
脱走陛下に駆り出されるV組+ゼロスとジェピサフィでした!
ってかやっぱり、このメンバーになると雪国おっさんズが一番動きます(笑
哀れなサフィには愛の手はありません←