6万打記念小説

□Who Is The BestUnhappy?
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「ふん……いいだろう、そいつも連れて行こう」

「よし!」

「「マジで!?」」

二人の声が見事にハモった。
それに、盗賊一行は笑みを浮かべるとレイヴンの方にも足を進めると、その小柄な身体を後ろからはおい締めにした。
それに気が付けなかったレイヴンは驚きに変な声を上げると慌てて後ろを見る。
そこには自分よりも大柄な男な姿。


「ほぎゃ!?なな何なにっ?!」

「なんだぁ?おっさん、そんなにこの男の事が心配か?ならおっさんも来るか?中々あんたも可愛いか顔なんじゃねーの?」

「はぁ!?やーよ、なんでおっさんまで…!」

そして顔を寄せてくるその男に、酒の匂いはしない。それがこの計画制を疑わせるがそんな事を考えている暇はレイヴンにもゼロスにも無い。
早くこの場をどうにかしないと自分達の身の危険にも晒されるわけなのだから。

「ち…しゃーない!おっさん、こうなったらどうにでもなれで暴れてや……!!」

ゼロスもレイヴンと同じように、危険を一身に受ければ戦闘態勢に入ろうと宿屋に置いてきた護身用の剣や武器の事を後悔しながら拳を握った。































その時。



げふ!!という蛙が潰されたような声。
そして、どごん、と言う盛大な扉をぶち破った音。




見事な蹴りが入ったと思われる男は、一味の仲間であろうことは、その顔に思いっきり二つの蹴り跡を残し泡と大量の鼻血を吹きながら気絶した姿に唖然としていると同時に声をかけたから。
誰だ!?なんて、ありきたりな怒声を漏らす一行の前、ざり、と言う二つの足跡。




「……で、何でこんなことになってんだ?」

「さぁ?それよりも早くここを沈めた方がいいよね」





その先から現れたのは。


「ユーリ君……」

「フレン、ちゃん……」

ラフな格好をした二人の噂の青年達。
同時に名を呼べば、ユーリはにやりと。フレンはにっこりと笑みを浮かべる。


そして。

「俺のに」
「僕のに」

「「触るな」」


絶対零度の笑顔と共に、酔いが無い怒りとオーヴァーりミッツが天井を振り切ってマグマの如く、背後に鬼が見えるとしか思えないユーリとフレンの面白いくらいの圧勝な一味撃退劇が始まったのである。








「……ねー、ゼロス君。これ、おっさんたち愛されてるってこと?」

「愛されすぎてる気がしなくもないけど、な」

そんな二人の普段見ない本当の怒りに、こっそり端に避難し、酔いに軽く足をふらつかせながらも子供とウエイトレスを解放したレイヴンとゼロスは、いつもなら笑みを浮かべながら喧嘩をするユーリの激怒と、乱闘を好まないように見えたフレンの蹴りやパンチを見つつ場に合わない笑みを浮かべるのであった。















(ま、どうして此処が青年達に分かったのかってことは今日は聞かないであげよっか。今日は助かったし)

(そーだな、おっさんの隠れ酒場なのに、どうしてわかったのかは聞かないでおくか、今日は格好よく見えるしなぁ)












さて、一番の不幸は誰でしょう?




おしまい!!


クロム様リクエストで、押せ押せな下町と押されると弱いレイヴンとゼロスな話でしたー。
押されすぎて、それに幸せを感じてしまった時点で受けズの負けなんですよ←
もうちょっと戦闘シーンを書きたかったけど、大変シリアスに傾きそうだったので中止して荒ぶるユーリとフレンの簡単な描写にしました。
荒ぶるユーリとフレンの姿にレイヴンもゼロスもきゅんとする!……はずだ!←
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