6万打記念小説

□飛んで火に居る
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「う……ん?」





ゼロスは、そのひやりと身体が冷えた感覚に目を覚ました。
いや、完全に覚醒はしていないのだが、起きがけの頭はただ寒い、とだけゼロスの頭に信号を送っていた。
その信号に、ならば身体を温めるものは無いのかと腕を動かし、布団を取ろうとする。

そして、そこで気が付いた。


色々な事に。




「……あれ?」

まず、手が動かない。
頭の上で纏められているのか腕は一つに纏められ、動かす事は一切出来ない。


そして。

「え、何ここ、どこ…?あれ?」

記憶にない、自分の部屋ではない天井。
更に

「おや、目が覚めましたか?ゼロス?」

にこり、といつの間にか裸のゼロスの胸に亜麻色の髪を振らせながら乳首を舐めている、ジェイドの姿。


「……−−−−−−−っ!!!!?」


そこまでを視界にとらえればゼロスは悲鳴にならない悲鳴を口にするしかなかった。

流石にこの状況ではこうなるかと、翠の目を丸くし、口を大きく開けて驚く姿にジェイドはくすりと笑うと、


「悪いのは、仮にも成人男性の部屋に一人で無防備に寝ている貴方が行けないのですよ?」









と、何とも最悪な責任転嫁を口にしたのである。







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