6万打記念小説

□彼を本気にさせる7つの方法
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そして、現在……ゼロスは撃沈していた。






ゼロスが考えた7つの方法。
そのうちの5つ。朝から実行しているのだが、相手は全く本気のほの字も見せないのだ。

本当に相手は自分の事がすきなのだろうかと思うほどに淡泊なのだ。(ゼロスの記憶が正しければ告白してきたのはガイの方で、ゼロスは最初男なんて、と思っていた為に断っていたのだ。しかし気が付けばひかれる自分がいて、そして恋人と言う立場になっていた……)

「はずなのに…・・あれ……?なんで俺さまがこんなに本気になってんの…?」

つい、ゼロスが呟いてしまうのも無理は無い、とゼロスは自分で思う。







第一段階として、パイナップルご飯作りにディセンダーのヌエと一緒になって真剣に取り組んでいる相手に差し入れ、とお茶を差しだしてちょっと腕を引っ張り連れだして「お疲れさん」と笑顔で言ってやった。
俺さま渾身、レア中のレア、本気の笑顔だ。
ガイ君もこの笑顔に落ちたって言ってたから効果は抜群だろう!絶対に顔を赤くして真剣な顔をしてキスの一つくらい奪いに来るだろう、そう思っていたのに。

「あぁ、ありがとう」

にっこり、爽やかな笑みを一つ。そしてまだ忙しいから、とそのまま去って行ってしまった。
その時の何とも言えない喪失感は言い表せようがなかったとゼロスは思う。





そして、今度こそと第二段階。
気合いを入れてやっと食堂から出て来た相手に近づき、手を握って上目遣いで見上げてみる。
男なら誰でもきゅんとする技の一つだ。
昔それをされて大いにキュンとした事がある経験済みの行動。

「な……ガイ君、この後暇?」

なんてちょっと小首を傾げて言ってやったのだが。

「悪いな、これからルーク達と修行なんだ」

なんて、ごめんな、と頭を撫でられてしまう。
や、そう言うのを期待したわけじゃないんだけど、なんていう間も無くもう時間だと走りだす男にまた取り残される。







なんだ、なんなんだこのやろう。




メラ、とこの時にゼロスの中で完全に火が付いた。
何が何でもあの鈍感な男を本気にさせてやろうじゃねーの!!そうゼロスは決心をしたのだ。





だが結果はどうだ。
3つ目としてちょっと派手でセクシーだろう服を着て相手に迫ってみたがこれも失敗。

それならばと4つ目に、相手の後ろから抱きついて、「キスして?」って恥ずかしさを押し殺して誘ってみたが「今は駄目だから、また今度な」の一言。
「もういい!」なんて嘘泣きしながら去って見たけどガイは追ってくる様子も無かった。

めげずに(やけになって)、近くを歩いていたガイの同い年であるユーリの腕を無理矢理引っ張り込み、ガイの目の前で浮気まがいな抱きつき方もしてみたがこれも失敗。




完全にスルーされてしまった。
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