パズル

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昔から、悪い事が起きた時に更に追い打ちかかるのが常だった。


父上が自殺した次の日から、母上の態度が更に自分を遠ざけるようになった。

母親が死んだ次の日、セレスが修道院に軟禁され、そして自分が不幸にした事を知った。

天使だと言うプロネーマと悪魔の契約を受けた次の日、教会で俺の事を疎ましく思っていた教皇の一派から初めて刺客を送られた。
ミトスに初めてあってアイオニトスを飲まさせられた次の日……尋常じゃない痛みに襲われた。



でも、いつだって誰も助けてはくれなかった。
それがゼロスの日常だった。






「ほら、こっちだ」

「はな……っ!」


油断したとしか言いようが無かった。
疲れきった身体を少しでも休めようとした矢先、後ろから襲ってきた野郎どもに掴まってしまったゼロスは知らない(何処かなんて知る由もないんだからどこに連れてかれても知らない場所なのだが)場所に連れてこられた。
埃っぽい部屋の一つにその身体を背中から押し込まれれば、揺らめいた足はもつれて近くのベッドに身体を沈ませる事となった。
もわりと上がる埃に眉間に皺を寄せて小さく咳き込んだ。

「くっそ……完全に魔力使いきるんじゃなかったぜ……」

どうにも抵抗したくても全く身体に力は入らない。
たかだかギルドの人間なんか数人とは言え、普段なら遅れを取ることなどないのだ。


「どうです?本当はこの髪を切り取って売り飛ばそうと思ったんですが……顔もなかなか……」

「……ふむ」

どうやら相手一派は、裏ギルドで人を売買なんてしてやがる最悪のギルドらしい。
どこの世界にいってもこんな事を考える馬鹿はいるんだな、と内心思いつつ、髪を切るつもりでいたらしい事に今更ながらそうされなかった事にほっとする。
色はどうにも好きにはされないが、母上と同じ癖っ毛の強いふわふわの感触はゼロスはそれなりに気に行っていたのだ。

「そうだな、売り飛ばせば高くなりそうだ」

しかし髪を切られないにしても最悪の結果だ。
こいつらはゼロスを売り飛ばそうと話をし始めたのだ。
売り飛ばす先は評議会のエロ狸がいいか、などと話す馬鹿に吐気が込みあがる。
取りあえず、今日すぐには評議会の奴らには接触は無理だろうと思うと、少し魔力が回復してから逃げだすかと思った時。

「じゃあ、まずは商品の確認、だな」


にまり、と売り飛ばせそうだ、と口にした男が下品な笑みを浮かべてゼロスを見下ろしたのだ。












▲▲警告ー▲▲
一応ね、次から裏のターン!!あんまり好きでなかったら次の章がくるまでお待ちくださいね?見なくても繋がるようにはしますから!
輪姦・視姦・玩具表現あり!!
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