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□秘めたるもの
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「……何してんだ?」
「あれ、せーねん」
しかし、部屋に引きづり込んで話を初めて数分、部屋に訪問者が。
しかもノックも無しに入ってきたのは、エステリーゼちゃんと一緒にやってきたという後ろから見たら女の子に見えなくもない(背丈を無視すれば、だが)ユーリ……と。
「お邪魔するぜ?」
「……ガイ君?」
後ろから顔を出したのは苦笑い気味のガイだ。
目を丸くしたのはゼロスもレイヴンもほば同時。
「………一瞬。フレンちゃんかと思ったわ…」
レイヴンが顔を出したガイに声を出さなかったのは、彼にそっくりなもう一人のガルバンゾ国の騎士であるフレンに似ていたからか。言われた言葉に今度はユーリとガイが顔を見合わせた。
「……まぁ、俺がガイと一緒にいたら間違えてフレンって呼びかける奴はいるけどな」
「逆にうちのルークに我がまま言われてるフレンを見た人もガイって呼びかける事もあるらしいけど」
その言葉に野郎の事はどうでもいいと感じるゼロスでさえ光景を簡単に思い浮かべられる事に頭を掻く。しかし今はそんなことを言ってる場合ではないのだが。
「で?2人はここに何の用よ?」
出来れば用事が無いのであれば直ぐにお引き取り願いたい現実にゼロスは少し刺を含んだ言葉遣いで二人に問いかけた。問いかけにユーリは眉間に皺を寄せるとそのままレイヴンに顔を向けた。
「俺が用事なのはそこのおっさんだ、今日こそは俺にあのクレープを作って貰うんだよ」
「だぁぁから、おっさんは甘いの嫌いだから作らないって言ってるじゃないー、やーよー」
そして放たれた言葉にレイヴンも速攻で拒否の言葉を口にした。
この船には女子供がかなり多い。甘いものが好きな人間も多い中で、同じく甘党のユーリにとってかなりいい場所ではあるのだが。レイヴンの作る甘味が食べたいと言い出したのだ。
それをいつもスル―していた為に、今日こそはと探していたらしい。
「俺はユーリに掴まってな。今はルークも修行で居ないし、……まぁいいかと」
そう言うガイのポケットから飛び出た光るものは何か。
きっと、いや、確実にそのポケットの中のものに釣られて手伝っているのに違いない。
「…………」
ゼロスは無言で二人を見上げる。
基本のチームはフォーマンセル。
四人までなら、それなりに動けるはず。
かつ……
2人は自分より年下の為に選考するのは最終で、レイヴンの登場で途切れてしまったが。
「毒を食らわば皿まで……てか?」
「ん?」
「何がだ?」
レイヴンを連れてけば確実に2人も来るに違いないのだ、適当な所まで一緒願うかとゼロスはポケットに入れたぐしゃぐしゃになった手紙を出した。
「俺さまの妹が攫われたの、助けるの手伝ってくんない?」
一枚目、その攫われた事実が書かれた紙だけ、をゼロスは出して秘密の依頼として、と伝えた。
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