光と闇

□guardian
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その中身は、脅迫とか以前の問題が詰まっていた。
中にあったのは、一枚の残影機器で残されたシュヴァーンの写真と『今日の昼飯は野菜サラダにおにぎり?身体に悪いよ?』などと私生活をまるで……いや、完全にストーキングしたような内容の手紙、で。
その内容に目を通したフレンは目を見開き、駄目だと言っていた自分の言葉も忘れたようにもう一枚の匿名の封筒を開いた。



『今日は下町の警備と見回り?そんなの部下に犯らせればいいのに、あぁ違えた、犯られるのはシュヴァーンだね、今日は覚悟した方がいいかもね?』
などの、明らかにシュヴァーンを狙った内容の文面。それにフレンもアシェットも最近のシュヴァーンの言動の可笑しさの原因を知った。







この、最悪のストーカーだ。








「……フレン、手紙来てたのいつくらい?この気持ち悪い手紙、いつから隊長に届いてた?」

「…………少なくても、一月は前、かな……」

声のトーンが低くなる。低くならない方が可笑しい。
一月も前から、シュヴァーンはこの最悪な手紙を受け取り続けていたのか。
そしてどこからかストーキングされて、ほぼ毎日届く手紙に脅えてあのような、挙動不審な態度になっていたのだろう隊長に………


「……フレン。隊長、今日は確かに下町に行ったよな」

「あぁ……」

「シュヴァーン隊、残ってるの全部出す指示貰っていいか?」

「……僕が指揮を執るよ」

フレンはその言葉と共に封筒をぐしゃりと握りつぶした。
既に仕事後な為にそんなに騎士は残ってはいないだろうが、そんなのは関係ない。シュヴァーン隊は一声で城を飛び出せる自信がアシェットにはあった。
どうせ、下町、市民街、貴族街、更にその上に王城があるのだ、魔物など来るはずもないし警備など貴族の兵士にやらせておけ、どうせ何もしてないでサボってんだ。そんな心息でアシェットはフレンにまた後でと、踵を返した。



向かう先はシュヴァーン隊詰め所。
我がが隊長に手を出そうなどと言う不届き者には最高の悪夢を。アシェットはにやりと黒い笑みを浮かべては詰め所に早足で向かうのである。







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