聖なる炎と陛下と仲間達
□彼の日
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此処は嘘でも祝うと言って置くべきだった、と。そうすればこの馬鹿は喜んで教えてくれただろうに。
しかし、言ってしまったものは仕方ないとジェイドはため息を付いた。
「………じゃあ、覚えていたら祝ってやるよ。」
「覚えて無かったら祝わないんじゃねぇーか。お前、絶対忘れるだろ、自分の誕生日だってロクに覚えてないくせによー。」
「………」
全くもってピオニーの言う通りだった。ただ知りたいだけであったから知れればいいと、彼の口から誕生日が聞ければいいと思っていた。
ーーサフィールなら教えろと言ったら直ぐに馬鹿みたいに喜んで教えてくれるのに……。
ジェイドにとって、自分にこのような態度を取る人間は初めてであり(殆どは自分を敬遠しているし、違っていてもネビリム先生かサフィールしかいなかった)上手くいかない事に多少の苛つきを覚えていた。
しかし、それ以上に。
上手くいかないからこそ、引き込まれるものもあり、そう思うからこそ、どうしても聞きたくなった。
「……なら、おめでとうくらいなら言ってやるよ。」
「プレゼントは?」
「そんなも……「じゃあ教えらんねぇな。プレゼントくらいくれないとつまんねぇし。」………僕がプレゼントのセンス無いの、お前だって知ってるだろ。」