殿下と仲間達
□キセキ
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「・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・えっと。」
飛び出したもののその先如何するか考えてもいなかったルークはこちらを見て目を丸くした二人に頭を掻きながら、必死にどうしようかと考えていた。
二人が用は済んだとばかりにすぐに退散しようとするのを見て、ルークは慌てて飛び出した。
混乱したままの、事情がわからない状態で飛び出すのは良くないと何度もティアやジェイドに言われたものだったが、今はそんなことは言ってはられないとルークは判断したからだ。
なんせ、腹が減っているにも関わらず、
折角下まで降りたのを全力疾走で此処まで駆け上がってきたのだ。
ここで、何もせずに終わったらどうしようもない。
こんな不可解なことを残したままに。
そう
だから後悔はしていない。
しかし、こちらを驚きの眼差しで見つめる二人をみると自分がした事が悪かったように思えてくる。
「敵・・・!!」
「え、ちょ・・・!?」
しかも、アリエッタは自分を敵と判断したのか、ピオニーを守るように彼の前に立つと此方を睨みつけてきた。
いや、確かにアリエッタにとったら自分は敵だけど、その前にその目の前にいるピオニー陛下とも敵ではないかとか、つーか確かに死んだはずとか、
頭はパニックを起こすだけだ、オロオロとするしか、ルークには出来なかった。
「まぁ、アリエッタ。コイツは敵じゃない。
そうだろ?ルーク。」
そんなルークに助け船を出したのは、後ろにいた、ピオニーで。
「お帰り。」
月の光を優しく浴びてふんわりと笑い、ピオニーはそうルークに言ったのであった。
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