聖なる炎と陛下と仲間達

□初恋
3ページ/3ページ



アニスが呟けばジェイドはすぐさまに反応を返し、可愛く逃走を図ろうとすればなたナタリアが言葉を挟んだ。

「えぇ、まあ。とても心が綺麗で私にないものを沢山お持ちの方で・・・その方のせいで私が好きになる方の基準が高くなって未だにその方以上に好きになれません」

「つまり、今だ結婚しないのはその方のせい、と言うことか?」

「はい」

ガイが問い掛ければ、ジェイドは笑みのままに肯定した。

「ちなみにその人は今は・・・?」

「もちろん、生きていらっしゃいますよ。私なりに大切にしていますし」

「うわ、それかわいそ・・・」
「ルーーーーク?」

「あ!いや、なんでもない!!」

ついポツリとルークが口を滑らせれば、甘い声でジェイドが名前を呼んできて慌ててルークは謝った。
それに満足したジェイドは言葉を発しなくなったピオニーに振り向いた。
なにやら唖然としてジェイドを見ていて、ジェイドはピオニーが唯一ジェイドの言う初恋の人が分かったを悟って更に笑みを浮かべた。

「さて、では馬鹿話はこれくらいにしてそろそろ仕事にお戻りなさいね、陛下」



「・・・・・ジェイド」

「はい?」

「今の話、嘘だよな」

「いえ?」

「・・・・・・嘘だといえ!!あぁ、もう行く!!」

そして、赤くなる顔を隠すようにしてピオニーは立ち上がり、休憩室を出て行った。


「・・・陛下も知っている人だったのかな?」

「その様ですわね」


ルークとナタリアが首を傾げる中、アニスとティアは何かを悟った。

「大佐、その方って金髪の美人さんですか?」

そしてティアがいったその言葉にジェイドはあまり見せないやわらかい笑みを見せた。



その笑みにアニスとティアは確信を深くして顔を嬉しそうに赤らめたそうだ。









もちろんジェイドの初恋はピオニーだったんですよ!!
自分の世界と全く違う世界感・今まで感じたことも無かった思い・何故か眼が勝手に追ってしまうなどの現象を無視した挙句、カーティス家に養子になってからやっとその気持ちが分かり、愕然とし、一時期スランプに陥ったなんてことがあったらいいな、なんて。


甘酸っぱい初恋と今だに初恋のままのジェイドなのでした。



前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ