聖なる炎と陛下と仲間達
□経済効果の上で
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「ルーク、こんな所に陛下なんているわけが無いだろうが。
何処をどう間違えたら陛下に見えるんだ?」
「うわっ!!わ!」
しかしそんな行動も気にせず、ピオニーはルークのまだ濡れたままの髪に手を突っ込むとガッシガッシとかき乱しながらそういった。
「そうですよ。こんな品の無い馬鹿みたいな男が陛下だったら国が滅びますね。確実に。」
「・・・・・・・おま、それはいいすぎじゃね?」
「おや、どうかしましたか?フランツ?」
それにジェイドも続けたが、言葉に明らかなとげが感じられる。
きっとこの『フランツ』を名乗る男は、誰にも何も言わずあの宮殿を抜け出してきたのであろう。
・・・仕事をしないで。
昔、屋敷に長いこと閉じ込められていたルークはその気持ちが痛いはどわかっていたが、
実際は自分の幼馴染兼使用人を豪語するガイにせいで一度も脱走が成功したことは無く全て失敗、阻止されてしまっていたので、ジェイドの気持ちもピオニーの気持ちもルークにとっては完全に把握できるものではなかったが。
とりあえずルークはピオニーの手から逃れるとグシャグシャにされた髪の毛を手櫛で整えながら己の手の中にあった板を見てさっきの言葉を思いだした。
「あ、で、へ・・・じゃなかった。フランツ・・・さん、どうしてジェイドが強いんですか?」
そう、ジェイドといえばいっさい遊びと言う名の遊びなんて興味も無い顔をしていて、実際身体を動かす競技なんて全くしないというのに。
「ルーク、別に今は呼び捨てでもいいからな?・・・と、それはだな。」
「昔、ホドで研究をしていた期間があって付き合いでしていたのですよ。」
いいにくそうなルークにそう訂正を入れてからピオニーは言おうとしたがその前にジェイドがその続きをいった。いかにも興味はありませんというように。
・・・自分はだから卓球なんて競技はしないというように。
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