殿下と仲間達

□宝物は
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「…お前も譜術、使えるのか?」

「うん?まぁ、簡単のなら?」

「…そう」

「お前、聞いておいてなんだ、その興味なさげな」

「だってないし」


ほかのやつから比べたら、恐れも媚びも無く、自然に関わってくれるのが、…それだけで何十倍もいい。

「あぁ、そーだ。お前にこれやる」

そんな事を思っていれば、ふと差し出されるもの。

「…何?」


「やる。俺の探し物のついでだ」


そう言って渡されてものは。

「…有難う」

ジェイドのとって家族やサフィール以外からの何の見返りも望まないプレゼントで。何気なしに渡されるからつい受け取ってしまった。
仕方無しに礼をいってやればすでに相手はこっちに興味は無く、お礼の言葉を聞くより早くにダンボールの中からブウサギの絵柄のついたカップを2つ取り出していた。

「ちょうどいい。今から一服するところだったし、お前も飲んで行け」

そう笑顔で言われて手の中で光る水晶をジッと見詰めてポケットに押し込めば、お前のその本を見せてくれるならな、と昨日から興味があった本棚を顎で占めしてから、ジェイドは足場を足で周りのものを蹴り飛ばして作って座った。



しかし、ジェイドの思いとは裏腹に本日はピオニーの部屋の片付けに終わってしまい、何も読むことが出来ず、また次の日も来ることになったそうな。





おしまい!!
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