聖なる炎と陛下と仲間達

□初恋2
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話は今から4年前に遡る。
ルークは言葉をやっと覚えることが出来た頃。

ルークの知っている人といえば、ガイとペールと父上と母上、それにラムダスとナタリア。 
後、皆同じような格好の白光騎士団とメイド。

それだけだった。
そして俺が知るところは俺の家の中だけ。

何をすることも出来ず、ただ知識が必要だと勉強をさせられ分からないものばかり。
そう何もかもが分からない。
そして、みんな俺を腫れ物みたいにみた。

ラムダスも父上も、俺を見ようとしなくて。
母上は俺を見るたびに泣き出しそうな顔をして。
ペールとは声をかければちゃんと返してくれるけど他人行儀で。
ナタリアは昔の俺ばかりで。

…ガイは冷たい目で俺を見ていて。


もう、嫌だった。だから、一度だけ、一度だけでもいいから街に逃げ出したかった。
だから、夜に誰もが寝静まった時間、あの家から逃げ出した。




「ほぇ〜、ルークにも脱走暦があったんだぁ」

「1回だけな、後は…みんなガイに阻止されるようになったけど」

「ガイに?」

二人でしんみり。ソファに座りながら話す。時折もう嫌だと逃げそうになるルークを掴み、アニス様懇親のお菓子を餌に話は進む。
アニスが問うと、うんとルークは頷いた。


「そのことがきっかけでガイが優しくなったから」

ふにゃりと笑うルークにネタが!!と心の中で思っていたことは軽くスルーしておこう。




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