響き合う物語
□俺のもの
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最近、ロイド君の様子が可笑しい。
そう、俺さまが気がついたのはつい最近。
二人っきりになるのを、避けられてるし。
食事とかも隣に全然ならないし。当番も叱り。
最後尾を歩く俺さまを時折心配して後ろに来ていたのも、今じゃ全然無くなった。
「…………俺さま、なんかしたっけ?」
トマトを料理に使って苛めてやったことはあった。
アイツを後ろから脅かしたこともあったし、お風呂覗きの犯人にしちまったこともあった。
…………そ、それに裏切りものって、ばらしちまったし。
「こ、心当たりが有り過ぎる……」
いや、もう全部許してもらえていたとは思っていたけど、もしかしたらそうじゃなかったのかもしれないし……
一番後ろ、最後尾を歩きながら心はどんどん絶望に追い込まれていき、ゼロスはすがるような視線を一番前のロイドにそっと向けた。
気がつかないのは当たり前だと知りながら。
『俺のもの』
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