響き合う物語

□俺のもの
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「どうしたの?ロイド、なんか機嫌悪いよ?」

「ん?あぁ…や、なんでもないよ」

その頃、ロイドはゼロスとリーガルが話していたのを目撃してから、もやもやとした気分を抱えながら部屋に戻ってきていた。

少し強く扉を閉めてしまい、しかも眉間に少し皺もよっていたらしい。
部屋で勉強をしていたジーニアスはきょとんとした顔でロイドを見た。



それにロイドは慌てて笑顔を作った。
そして買ってきた新しい工具を鞄の中に押し込んではジーニアスに近づく。
そこには、自分にはさっぱりわからない数字の羅列。それに嫌そうにロイドは顔をしかめるが、ふと違うことにも気が付いた。



「……あれ?」

「ん?何、ロイド」

「その字、先生のじゃねーの?」

字だ。そう、その字は確かに見慣れたリフィルの字ではない、綺麗な字が並んでいる。

「あぁ、だって今は数学はゼロスの管轄じゃない。……僕よりあのアホ神子が頭がいいなんていまだに信じられないけどさ…」

そうブツブツ文句を言いながらも、ジーニアスは問題に手をつける。時折考えるように手を止めるのはやはり、彼にあった問題であるからであろう。


しかし。

「…俺、先生のノートのままだぜ?」

そう、ロイドはゼロスの数学の指導は受けてはいるものの、リフィルの作った問題集で問題を解いていた。

「あれ?そうなの?コレットもこの前ゼロスの問題貰ってたけど」

そういわれて、ロイドの中でもやもやしたものが更に大きくなった気がした。
さっき、リーガルのそばにいたゼロスを見たのと同じ、もやもや感。





「……ふーん」

「ロイドもいいから勉強しなよ?姉さんに怒られても知らないからね?」


カリカリとペンを滑らす音を聞きながら、ロイドはベッドに腰を下ろした。

しかし。





「なぁ…」

「んー?」





もやもやが止まらない。

ロイドはゆっくりと顔を上げた。





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