響き合う物語
□振り回されても愛でカバーする?
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「む……起きてしまったか」
パチッと目が覚めた。
人の気配に敏感なゼロスはそれでも最近はこの今のメンバーにほだされてしまい、彼らであるなら近くにいても寝てしまったままでいることが多かった。
しかし、今回それが仇となった。
目の前には自分を絆した男の父親が目一杯に広がっていて。
というか、ベッドで寝ていた自分の上に乗り上げていて。
「ひにぎゃあああああぁぁぁぁあああああ!!!??」
朝から大きな声で叫んでしまったゼロスであった。
『振り回されても愛でカバーする?』
「どうしたゼロス!?って、とうさん俺のゼロスに何してんだよ?!」
「ゼロスはまだお前のものではないだろう」
「これから俺のもんにすんだよ!!」
ゼロスの叫び声に当たり前のように飛び込んできたのはロイドで、しかも突然の俺のもの発言。
いや、いつロイド君のものになったのよ、とか。何天使様も俺さまを自分のものにする気なのよ、とか思いながらゼロスは目の前で繰り広げられる(何時のまにか)自分をかけた親子喧嘩をしそうな雰囲気の二人を唖然と見上げることしか出来なかった。
「うるさい!!そんなに元気があるならあんたたち3人で買い物してきなさい!!」
そして、理不尽にも親子喧嘩を低血圧で見詰めることしかできなかったぜロスは馬鹿親子と共にリフィル先生に買い物係りに任命されレアバードごと外に投げ出されてしまったのである。
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