響き合う物語
□振り回されても愛でカバーする?
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そして、ねこにんの里での買い物を終えて、次の街。
そこで事件は起きる。
「そういえば、ゼロス。お前の中に入れておいてアレは抜いたのか?」
「は?」
目的地であるサイバックへ着いた際、レアバードを降りたときにクラトスがゼロスにそう声をかけた。
しかし、ゼロスには「アレ」がわからずに首をかしげた。
その様子に気が付いていなかったことにクラトスは目を丸くしたかと思えばにやりと笑った。
「……そうか」
「え、ちょ……!俺さまになんかした訳?!」
「した」
「即答!?」
唖然とするゼロスを尻目にクラトスは、先に歩き出した。
「ゼロス!どうかしたのか?」
「あ…!ロイド君……」
そんなクラトスを呆然と見詰めていればロイドがきょとんとした顔で覗き込んできた。
それにびくりと体を揺らして現実に戻ってきたゼロスは息を吐いた。
「んや……なんでもない……と、思いたい」
「なんだよ、それ」
そして言葉を返してやれば更にわけがわからないという顔のロイド。
ゼロスは乾いた笑いを漏らしながら、遠くを見上げてゆっくりとサイバックの街に向かって歩き出した。
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