6万打記念小説

□酒よほろ酔いレベルを超えてます
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……そして酒盛りが始まったのだが。




「おい、ゼロスお前飲んでんのか?」

「飲んでますー。つうかよ、お前ら何、素面そうな顔をして全然素面でねーよな」

「?何がだ?」

隣で黙々と甘味を頼んでは食べを繰り返す男にゼロスは視線を向ける。
顔には出ていないがユーリもかなり酔っている、とゼロスは思う。というか酒のつまみにパフェってどうなんだ、とスプーンにふわふわなホイップクリームを乗せて口に運ぶ様子を見て皺を寄せた。

それが一つならば問題は無い。
それが既に5つ目なのが問題なのだ。
なんの伝説を達成しようとしているのか、あの目はこの酒場の甘味を全てくらい尽くす気満々だ、とゼロスは感じた。既に抹茶、チョコ、ベリーベリー、マンゴーと食べ終えている。いま食べているストロベリーと残りのパフェは2つ。絶対に伝説は達成される。

普段ならこんな事はしないのに、酒の力を借りて理性をポンと飛ばして自分の好きな行為に走っているとしか思えない。

「なんだよ、そんなに見つめてよ。お前も食うか?」

「見てるだけで胸やけしそうだから遠慮する。全力で。つーか俺さまは可愛い女の子と話ができればそれでいいしー?」

「……お前の方が可愛いだろ」

「そういうユーリ君もね」

視線を向けていたのに気がついたかユーリは、此方にイチゴの乗ったスプーンを差しだしてくる。
最初の一杯目だったら食べていたかもしれないが傍で見始めて既に5杯目のパフェだ。向こうでフレンに口説かれている哀れなおっさんで無くても嫌だ、とゼロスはスプーンを手を前に出して拒否をした。

ついでにユーリとフレンが飲み比べをしている際に、おっさんと一緒に女の子に話しかけに行って貰った貢物を指差して言えば、ユーリは笑顔で嬉しく無い事を云う。
少しのいらだちで同じ事を言い返せば、ユーリも顔をむっとさせてゼロスに顔を寄せる。

「ユーリ君、すっごい甘ったるい香りがすんだけど」

「お前だってなんか良い香りするぜ?」

「俺さまのは香水!!ユーリ君のはただのバニラエッセンスとチョコとフルーツの香り!!」

全然違うし別物だろ!?とぺしりと頭を叩いてやればユーリはさらに顔をゆがめる。と、ゼロスの黒のアンダーを引っ張った。
その突然の行動に反応が出来ず、がくりとゼロスの身体が前のめりになる。
そのままユーリはゼロスの唇に触れるだけのキスをした。


「えっと………ユーリ君?」

「ゼロス……」

「あ、わ、ちょい……!」

それに翠の瞳を見開けば至極真面目なユーリの顔が視線の中に入った。一瞬見惚れそうになればユーリがさらに続きをしようというのかスプーンを置いてゼロスの方にテーブルに手を置いて顔を寄せようとした。
慌ててゼロスが後ろにのけようとした、その時。






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