6万打記念小説

□雪の日の
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「あ……!」















赤く。

ホワイトアウトした視界は一瞬赤く染め上げられて。


「皆気をつけろ!!魔物がいるぞ!」

「ロイド!まずは皆傍にいるようにしなければこの状態は危険だわ!ジーニアス!!」

「うん!!分かってるよ!!」

戦闘を早く切り上げないと新たな魔物を呼び込む可能性もある。
それぞれが位置の確認をするように技や術名を叫ぶのに、しかしゼロスは何も言えなかった。
今しがた見た、血の雪のせいで。

「……ゼロス!?おい、ゼロス居るのか!?」

「イラプション!!」

他の声は聞こえるのにゼロスの声が聞こえない。
その事に気が付いたロイドは己に向かって来ていた魔物を剣で切り伏せながら声を上げる。
と、同時にジーニアスが一瞬でも視界を良くしようと炎の魔法を落とせば、視界は一瞬炎に包まれ熱風と共に開けた。

「……ゼロス!!」

その視界の先。
ロイドが見たのは、戦闘態勢も取れず目を見開いてただ正面を見つめるゼロスと、そのゼロスを今にも攻撃しようとするウルフ系の魔物で。
助けるにも間に合わないと悟ればロイドは己の持っていた剣を思いっきりウルフの腹辺りを目指して投げた。


ぶし!!












「…!」












剣は見事にウルフの腹に直撃した。横から腹に突き刺さった剣のせいで正面から血の吹き出る様をゼロスは目の辺りにしたが。






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