6万打記念小説

□雪の日の
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「……ん?」

その後、ゼロスが目を覚ませば視界の先には木の天井。その現状に何があったんだっけ、と回らない頭を回転させれば直ぐに答えが出た。

「あぁ……馬鹿しちまったなぁ…」

皆の前で、取り乱した。
大丈夫だと思っていても、やはり昔のトラウマは時間だけでは直らない、という事か、とゼロスはだるい腕を持ち上げて額を抑えた。
目を閉じても視界にはあの『赤』が鮮明に残ってしまう。
このままでは、外の世界に出ればチラついた雪に直ぐに過去を掘り返されてしまうだろう事実は直ぐにゼロス自身理解できた。

と、こんこん、と控えめなドアをたたく音が聞こえてゼロスは視界をそちらにやる。

「私だ」

「あぁ……リーガルの旦那、ね。どーぞ」

聞こえた声に一番詮索をしないだろう相手と分かりゼロスは声をかける。
もし、この場でリーガル以外の相手であれば間違いなく寝た振りで切り抜けたであろう。とゼロスは思いながらカチャリと開けられる音を聞いた。

「……もう大丈夫、なのか?」

「見た目は?」

「そうか…」

リーガルには自分の過去を知られている。
同じ貴族の社会にいた事もあり、それはもう諦めていた。
ただ、他の仲間に知られなければいい。
それはリーガルも分かっていてくれているのであろう、だから誰も連れてこなかった。

「……心配していたぞ、特にロイドは」

「…………そ」

「言えない、か?」

「言えるわけねーしょ?柄じゃねーよ!……っつか、同情、されたくねーし」

目の前に温かなコーンスープを置きながらリーガルが問えばゼロスは肩を竦めつつ答えた。
そう、言えるわけがない。
第一、本当の『仲間』では無いのだから。


「………そうか」

「明日には、元に戻るわ。皆には寝てるって言っといてくんない?」

「分かった」

ゼロスがスープを一瞥した後にベッドにもぐりこんだのを見てリーガルは苦笑を零しながら踵を返した。
かちゃり、とドアノブを回す音に合わせてゼロスは目を閉じた。


「特に、ロイド……は、か」

あの熱血男は、こんな男にも心配をかけてくれる。
妙な所で鋭い男だ。
自分の事がばれないよう、取りあえずもう動揺しないように息を吐くと明日は晴れている事を願ってまた意識を闇に落したのであった。










おしまい。
な、なんかトラウマの部分が大きくロイゼロ部分が薄くなって……(涙
雪の脅威は凄いんです。っていうのを誇大に書いてみたくなった結果でした。
リュウ様!このような小説で良ければぜひとも貰ってください!!今回はリクエストありがとうございました!!

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