パズル
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「あ、のよ。話があるんだけど、いいか?」
話さないと、いけないよな。
俺さまの全て。
ボロボロに皆の前で泣いてしまえば、ほっとけない重症患者である彼らが黙ってはいず、エステルが筆頭に「良ければ話して下さい」なんて断ることが出来ないような心から心配してますと言わんばかりの(いや、実際心配していたのだろうが)目で手を握られて言えば、ゼロスに断る事なんて出来なくて。
取りあえずにと、次の目的地であるレレウィーゼ古仙洞に向かうべく近くの町、帝都ザーフィアスにて必要なアイテムの補充と休憩の合間、ゼロスは全てを話す事を決意した。
皆で、今日の料理担当のパティが作った海鮮料理を食べながら話している最中、ゼロスが少しだけ遠慮がちにいったが二つ返事でもちろんと答える彼らにゼロスはすっごい、ドロドロで最悪な話だからな、と覚悟を決めて貰う様に一言添えてから後から部屋に来てくれるように願い出たのだったが。
「……皆、良く来てくれるもんだよな」
「だって、だって気になります!!」
「そーよね、どういう事か説明して欲しいもんだし」
「ふふ、隠しごとを聞かせてくれるなら聞かないと、ね?」
「そう言う事なのじゃ!!」
聞く気満々で、わざわざ夜着で着てくれた女性陣。リタのワンワンパジャマはともかく、ジュディスやエステルのパジャマは初めて見たのか、特にジュディスのミニワンピース型のパジャマにレイヴンは一瞬鼻を押さえた。
何を想像したのだ、と女性陣や男性陣に冷たい目で見られるレイヴンに一瞬苦笑いもしたゼロスだが。
今日は二部屋しか取れず、男性陣にも先に聞きたくなかったら出ていても、と声をかけたのだが誰も部屋を出る事は無く。
「僕!何でも受け止めるよ!!」
と、カロルが意気込み。
「ま、おっさんも人の事言えない人生だったしねぇ」
と、レイヴンが平然と胡坐をかき。
「ゼロスの過去なら寧ろ全部纏めて受け止めてやるよ」
と、何故か嬉しげなユーリが肩を叩き。
いや、もう嬉しいのか悲しいのか。ゼロスは苦笑するしかない。
そして、ゆっくりとゼロスは口を開いた。
どこから説明すればいいのかなんてわかっちゃいないけど。
まだ、あんまり己の心もまとまってはいないけど。話せば少しは気持ちも纏まるかとも思った。
昔、傍にいた貴族の女の子も言っていたものだ「相談は、自分の気持ちを纏める為に話すのが目的」と。
なら実際にやってみようではないかゼロスは窓から覗く空を見つめた。
ACT.12
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