パズル

□14
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その、エンテレケイアと言う存在から精霊へと転生を遂げた存在を見たゼロスの感想と言えば、


「ノームって……ノーム?」

「ノームだけど、どうかした?」

「や……随分と…」


いや、ノームはノームであるのだが、あのテセアラで見た馬鹿らしく間抜けな(至って精霊に対して失礼であるのはゼロスにもわかってはいるのだが)あの困ったような不思議な顔だけがでかいと言う印象が大きく、他の転生した精霊であるウンディーネやシルフが比較的そっくりだったことから、今回も、とどこかで思っていた。
その為、グシオスから転生を果たし眠り続けるノームの姿を見てゼロスがそんな感想を持っても大きな不思議はないと思う。
リタが声をかけてくるのにゼロスはあいまいな言葉で返しながらノームを見つめた。



「どうした?ゼロス?」

「んや……なんでもねーわ」

それからじっと、眠るノームが消えるまでその姿を見ていたゼロスの姿に、首を傾げて近づいてきたユーリが声をかければゼロスは苦笑いをし、手を頭の後ろで組みゆっくりと足を先に帰ろうと来た道を戻る彼らの方にむけるのであった。






グシオスをノームに。
その最中にまず出会ったのは、大きな刃の半円状の武器を持った傷だらけの少女。カロルをギルドに誘ったりしていた世話焼きの少女で、逃げ腰のカロルを見切って首しにた張本人らしい。……かつ、カロルの想い人(それはカロルの様子を見ていれば直ぐに分かる事であったが)

彼女とカロルが前に所属していた魔狩りの剣とは、魔物に大事な家族や仲間を殺されて恨みを持つ人間が集まったギルド。
そして彼らの狙いは一行が精霊へと転生を願い出る相手、グシオスであり。
その為傷ついた少女、ナンを回復しだい一人取り残されたと言う事で心情的にも身体的にも心配もあり彼女を連れて、急いでグシオスの元に走った。

しかし向かった先で待っていたグシオスは完全に自我を無くし、エアルの過剰摂取で星喰みの兼属になりかけていた。
その結果、意思を聞くことなく転生への道を辿らせる事になったのだけれども。

ついでに魔狩りの剣のやつらも、ナンの説得でグシオスの件に関しては理解を少しだけ深めてくれて。
取りあえずは精霊化も出来て、星喰いの兼属となり果てさせる事も防げた。グシオスにとっても良かったんだよ、とそれぞれがほんの少しの罪悪感を浮かばせながらも、……良かったんだ、そんな言葉で纏めたのだけれど。
ちょっとしたもやもやを抱えて、しかし身体的にも問題は無く無視した結果。










その日の夜。






ゼロス・ワイルダー。
突然、街に着く前に視界はブラックアウト。倒れました。














ACT.14













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