パズル

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「……本当にいいのか?」

「そりゃ俺さまの台詞……ユーリ君こそいいの?もう……愛情たっぷりに抱かれたりなんかしたら俺さま、ユーリ君無しじゃ生きられないぜ?」

「は、上等。願ったり叶ったり、だな」


とさり、と柔らかいシーツにゼロスの身体が先に沈む。紅い髪が綺麗に白いシーツに舞った。


ユーリはその様を見詰めてやっぱり綺麗だな、と口にする。ゼロスは「もう穢い」と口にしたが、そんなことは全く持ってなかった。
ふわふわな紅い髪にそっと指を絡ませれば、その毛先にそのままキスをする。
恥ずかしそうに視線をずらし「気障ったらしいんじゃねーの?」と口をとがらせる姿に笑みがこぼれる。
前に一度ユーリがゼロスを抱いた時は殆ど情の交わらないただの『行為』でしかなかった。それでもいいとその時のユーリは思っていたが、直ぐにそれだけでは足りなくなった。
エステルやリタとハイタッチを決める姿に叱妬した。自分に向けられる瞳にそれだけで嬉しくなった。身体だけでなく、心も欲しかったのだ。
だからユーリは、今度はゼロスが心を開いてくれるのを待ったのだ。



そして、今。


犯されたと聞いた時に悔しさと腹ただしさに色々可笑しくなりそうにはなったが、こうしてゼロスがユーリを見てくれている事、そして同じ気持ちを返してくれている事に心が躍り出すのを感じた。
自分自身に単純だと呆れるものの事実なのだから仕方がない。


頬に触れると擽ったそうに肩を竦ませる姿にさえ、愛しいと感じる。
ふと、視線が合えばゼロスが首を上げてユーリの唇にそっと触れた。

ふに、と残る柔らかい感触と温かさにまた熱が上がる。

「じゃあ……俺さま、……ユーリ君に全部あげよっか、な?」

ふにゃりと笑うゼロスにこれ以上ない興奮を覚えたユーリはゼロスの身体を強く抱きしめると、その耳元で「好きだ」ともう一度告げるのである。






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