パズル
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その先、魔物が一気に減った場所を残ったメンバーと騎士に任せ、魔物に突進しながら一番魔物の多い部分に向かう2人と1匹を見つけたゼロスとレイヴンは、それぞれに視線を合わせた。
「ユーリ、フレン、ラピードっ!俺さま達が援護すっから、100メートル先くらいの場所にそれを打ちこめ!!」
「おっさん、本気出しちゃうぜー?気をつけなさいよ青年達!!」
先を見渡し適切な場所を指示するゼロスに、レイヴンはその道を作るべき矢を逆さまになったまま空に向ける。
姿を捕えたユーリやフレンが驚き此方の名前を呼ぶが、剣を振るうのを止めないのを確認すればレイヴンは思いっきり引き絞った弓から矢を空にうち飛ばした。
「降り注げ!!!」
それはいくつもの多数の矢になり雨のようにユーリ達の前を遮っていた魔物に次から次へと命中し排除する。
まだまだ多く魔物はいるがそれは先頭のラピードが切り崩して更に進む彼らの勢いを削る事にはならないだろう。
「おっさんもっともっと!!」
「わかってるわよー!もう、おっさん使いが荒いんだからー…降り注げ!!」
ふわりと空を舞いながら少し前に出、此方に向かってくる魔物の中心にまた矢を降り注ぐ。
ゼロスは多勢に無勢の刺客を多く相手にした事があり、このような乱戦に特化した技をいくつも持っている。
しかし、このように空からだと魔法を打ち込む事しか出来ないのだ。
その為にリタかおっさんかで連れてくるのを大きく迷ったのだが、一瞬で多量の矢を打ち込む技を持つおっさんを連れて来たのは正解だったとゼロスは思う。
「おっさん、あっちもあっちも!」
「もー、しゃーねーのぉー」
全く緊張感の欠片もない二人のやり取りにユーリの半目な視線とフレンの苦笑いをする雰囲気が伝わってこなくもないがそんなの半無視。
早く行けと急かすように前の、一番多い部分の近くを押しあけた。
「ユーリ!!」
「おっしゃあぁ!!」
その隙間にフレンが名を呼ぶ。
と、その魔物の群れの中にユーリは、リタの作った明星一号を手に突っ込んだのである。
途端、世界は一瞬にして白の世界に包まれたのである。
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