パズル

□誇れるもの
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「どうするんですか!!」

「いや……どうするって言っても……どうしましょうか?」

一行がその日、留まっていたのはオルニオンで。
今日は旅籠『冒険王』のリッチの倒したいと願っていたギガントモンスターの一匹でもあるブラッティピークを何とか(数人は生き生きとして)倒した後で疲れた身体を癒す為にこの街で休もうと言う事になり足を向けてついた矢先、その声は聞こえて来た。

どうやら困ったような顔をしている人たちに、ほっとけない重症患者達が見逃せるはずも無く、エステルがまずその人たちの方に走りだしてしまった。
その様子に見慣れていた一行も、それなりに気になっている事もあり直ぐにエステルの後を追ったのだが。
そこでの困った事が、凛々の明星の新たな仕事の発掘になるのである。











誇れるもの














「それが……ここの教会、折角立てたは良いんですが神父も何もいないんです」

「それで此処で死んだ人たちを弔いたいと思い、神父のいる教会の鐘と言うギルドを呼んだのですが……」

二人の会話に、全員が納得したように顔を合わせた。
その視線がかち合う中で思われるのは。

「どうしよう……その人たちを連れて来た方がいいのかな?」

「私たちでは、弔いは出来ませんものね……」

「どこに行けばその神父のいる……教会の鐘?にあえるのかの?」

と言う方向性。
セロスとしては、実は神子として長年仕事をしてきて、神父の仕事も朝飯前にこなせてしまうわけなのだが。それはあえて口にはしなかった。
こっちに来てまで、そんな仕事を自ら請け負う必要などない。そう思うから。だからこそ、頭の後ろで手を組み、その行き先を見守っていたのだが。


「いえ……それが。その教会の鐘が今、あちこちで仕事があって忙しくてって、こっちのをキャンセルされたんです……」

「俺たちも教会の人がきてくれるからって、このオルニオンが出来るまでに俺たちを守って死んでしまった騎士の方々や仲間達を弔うって宣伝しちまってよ……」

頭を垂れる二人に、ここに至るまでの事の全てを知り、共に戦った仲間として「そんな……」と己の事のように悲しむエステルの姿に、どうにかしようと考えだす小さなボスに。
そして他のメンバーに。



「………カロルー」

「……うん?何、ゼロス、何かいい案あるの?」

「あれ、教えてくんね?」

「あれ?って、ゼ、ゼロス!?」

ゼロスは一つため息の後に、二人の前にカロルの腕を軽く掴んで出た。そして。




「えー……夜空に瞬く凛々の明星の名にかけてお仕事お引き受けいたします」

カロルに早速教えて貰ったその文句を一文字も間違えずに口にすると、驚く仲間の視線を背中に受けつつ勝手にそれを依頼としてゼロスは受け取ったのである。









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