パズル

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「……で?あんたは誰なんだ?」



そう開口一発目で言う不躾な質問にゼロスは隠す事無く不機嫌な表情を浮かべ眉間に皺をよせた。

「そりゃこっちのセリフなんだけど。ってか、お宅ら、何?なんでまたこんな所に俺さま寝てたわけよ」



目の前には知らない一行。
自分じゃなければ絶対に叫ぶだろう自信だってある。
目が覚めて最初にいたピンクの髪の……たぶん貴族かなんかの女の子で。
その子が誰かを呼びに行くと出ていけば、混乱して自分の状況さえ掴めずにいたゼロスの元にやってきたのは彼らで。呼んでくると最初に言ってはいたが、彼女はぞろぞろと何人もの人間をひきつれて戻ってきたのだ。
そして、開口一番にその台詞。
誰でなくてもこういう反応だとゼロスは思う。

じっと、足を床に下ろしつつベッドに腰を下ろしたままにメンバーを眺めた。
その、まるでつい最近己といたメンバーが彷彿とさせれらて居たたまれない気分の方が大きくゼロスはすぐに視線を落としたが。






「あなたは、フェローのいた丘の時空の歪で倒れていたの。血だらけで。だから助けたのよ、彼女が」

そこに、奥にいた蒼い髪をした露出の多い服をまとった女性が声をかけた。その女性が言った方に目をやれば、先ほどのピンクの髪の女性が頭を下げた。

「エステリーゼと申します。あ、みなさんにはエステルって呼ばれていますが……」

「そして、私はジュディスよ。こっちがリタ。で、こっちが」

「パティなのだー!!」

「ふふ…」

続けて二人の女性を紹介されれば、ジーニアスと年の変わらない子供が前に寄ってくる。

「あ、僕はカロル!で、こっちはラピードだよ」

紹介の後にずっとそばにいた犬をさせば、ワンと答えた。

「で、奥で壁に寄り掛かっているおっさんがレイヴンで、俺がユーリだ」

その後は一番に声をかけた黒髪の青年がゼロスに声をかけた。おっさんと言われた方が「おっさんて説明どうなのよ!!」とか騒いでいるが、まるで無視されているのでゼロスもとりあえず無視をする方向で決めた。

「……で?お前は?」

改めて名前を聞かれれば、全員の名前を覚えられるはずもないだろうと思いつつ名乗られ、仕方なしにゼロスは一つため息をついて頭を掻いてから目線をユーリと名のった男に向けた。



「……ゼロス。ゼロス・ワイルダー」


名乗らざるを得ない方向に持っていかれてしまい、渋々だった事もあり、多少、膨れた声になってしまったが、今更だった。
























ACT.2









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