パズル

□4
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そしてあれから数日。戦闘には参加をすることになり、連れ出された先では適当に闘っていたゼロスだったが、今現在、自分の置かれている立場に現実逃避をしたくて仕方が無かった。

どうしてこんな事になっているんだろうか、本当に。


小さな鉄格子の窓から見えるのは小さく切り取られた空。ゼロスはあまり馴染みの無い牢屋で同じく牢屋に突っ込まれた3人の姿を見て大きなため息をついた。





「ありえない。ほんっとにあり得ない!!」

隣で座っていたリタがそう呟いて牢屋にいる事への怒りに耐えきれずに立ち上がる。

「なんであたし達、こんな所に詰め込まれなきゃいけないのよ!!」

そう叫ぶも、武器はすべて牢屋に入れられる前に取り上げられてしまい、魔導器も持たない魔術師に剣を持たない剣士には何もできないだろうとすでにその場から見張りもいない。
リタの声だけがその静かで暗い牢屋に響いたのである。












ACT.4




















「すまないユーリ。君たちまで巻き込むつもりはなかったんだけど……」

「そう思うなら落とし穴なんてもんに引っかかるな」

「……ユーリも落ちたじゃないか」

「うるせぇ」


何の目的も無いゼロスがユーリ達にとりあえず一緒にくっついていく形になって数日(と、言うよりは街についても必ず誰かがゼロスの傍にくっついていて、逃げられなかったとも言う)、ゼロスの眼の前に現れたのは白と青を基調としたこの一緒の牢屋に突っ込まれた金髪騎士。
ユーリの親友で、幼馴染で、この旅のメンバーとよくつるんでいる。と言うことを、会った傍から口喧嘩を始めたユーリに変わってその時に簡単にジュディスに教えて貰った。

そんな中、街で盗賊が悪さをしているという事を聞いて「ほっとけない」と言ったエステルとフレン、それにパティ。エステルが「ほっとけない」と言えば、そのエステルが「ほっとけなかった」のは、今叫んだリタ。そんなメンバーを更に「ほっとけない」と言ったジュディスにユーリにカロル。

……なんていうお人好し。
「ほっとけない」の嵐に驚くゼロスは勝手に2手に分かれて捜索を開始する事に決まったらしく、腕を引っ張っていくユーリに抗議もすることも出来ずにその街を散策することになった。

そのメンバーが、ゼロス、ユーリ、フレン、リタ、ラピードだった。
そして散策していれば、運よくなのか運悪くなのか出会ったしまった。

盗賊の集団に。



そして、最初に斬りかかったユーリとフレンが二人して落とし穴に引っかかり、ゼロスとリタは捕まり現在にいたったのだ。

「ラピード、無事なのかしら?あたしら捕まった時にいなくなってたけど…」

「捕まる前に俺さま逃がしたんだよな。ラピードなら小回り利くっしょ?」

すとん、と誰も反応しない様子にいらつきつつリタが座り直せば、その呟かれた言葉にゼロスは欠伸をしながら言った。

「あいつ、結構頭いっしょ?言葉はわかんなくても他の奴ら連れてこれるかなーなんて思ったりなんかして」

笑顔でそんな事を口にすれば、奥で胡坐をかきながら座っていたユーリと正坐をしながら今後どうするか考えていたフレンは、一度互いの視線を合わせた後に二人してゼロスを見やった。
その視線が、正直に驚きを示していて、ゼロスは緩く首を傾げる。

「……何?」

「いや……ゼロスってすごいね、確かユーリ達とそんなに長くないんだよね?」

「まだ3日だ」

ユーリがそう言えば、胡坐をといてゼロスの方に寄ってきた。
笑みを浮かべて。

「何」

段々と近づいてくるユーリに対し、警戒心を露わに眉間を寄せて先程のユーリと同じ台詞で同じように聞けばユーリはゼロスが座っている隣に許可を取るでもなく勝手に腰を下ろした。

「別に?」

その行動にゼロスはさらに怪訝な顔をするも、フレンも苦笑いをするだけだし、リタも嫌な顔をするも特に何も言わない為に、ゼロスは目を細めた後にそのままにする事にした。






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