パズル

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ゼロスは最近戦闘を見ていて思う事があった。



それは



「勝利のポーズ!!」

「ポーズ!!」



ギルドと言う人の集まりがあるという事。それは申請すれば誰でも創設は可能、という事は説明を受けた。
そしてゼロスが現在保護してもらっているのは、最近出来たばかりだというギルド「凛々の明星」と言う名前のそれ。歳は12歳と、ジーニアスよりも年下らしいカロルがボスだという。


まぁ、それはいいとして。
このギルドに暫く身を置くならばどうせならギルド員にならないかと誘われたのだが、ゼロスとしてはギルドの絶対的な掟、それが守れる自信も無く辞退したのだ。

「一人は皆の為に、皆は一人の為に」

一人の為に皆を斬り捨てた覚えのあるゼロスにしては、後ろめたいものしかなかったのだ。




その為、ただ保護された人と言う事で一緒に取りあえずくっついていたのだが。

戦闘後に皆でハイタッチやらポーズやらギルドの信念やらをそれぞれが好き気ままにしているのを見ていると、微妙に混じりたくもあった。



因みに今日の戦闘メンバーはカロル、エステル、ユーリ、ジュディスの四人。
敵の殲滅の後にカロルのポーズの合図とともに、3人もその横に並んで一列になりポーズを取っては笑い合っていた。


「…………」

「およ?どうしたのゼロス青年?」

「大方あのバカっぽさに呆れてたんでしょ?」

その様子をつい眺めていれば、今日の料理当番だったレイヴンが後ろから声を掛けて来た。みんなで共同のエプロンは女の子たちの希望と押しでピンクの兎のエプロンだったりするのだが以外にもそのエプロンが合わない男性もいないという不思議。
レイヴンでさえ不思議に普段からピンクの上着を着てるせいかそこまでの違和感も無く着こなしていた。そんな彼が皿を片手に木に寄りかかって座っていたゼロスを見下ろしながら問いかけて来て。
ついでに近くにいたリタも話に乗ってきた。

「あー……や、俺さまも前から戦闘はしてたけどよ、あーゆーのはした事無かったしちょっと斬新ってかそんな感じ?」

ぼりぼりと紅い髪を軽く掻きながら答えればリタは納得したように「ふぅん」と一回だけ声を漏らしてからゼロスの隣に腰をおろして持っていた本を開いて読みだした。

「確かに、あたしも初めてアレを見た時は引いたわね」

「……引いたの、リタっち…」

ため息をつきつつ、まだ笑顔で今度はハイタッチをし始めた一行をリタは横目で確認してはレイヴンの言葉に当たり前でしょ、と返した。

「でもきっとそのうち嬢ちゃん辺りにハイタッチを迫られるわよー?ゼロス青年?今嬢ちゃんの中でハイタッチマイブームだから」

リタの様子にくすくすと笑いながらにレイヴンは言えば、2人に一口サイズの照り焼きの肉を差しだした。出来たての肉は香ばしい香りを放ち、リタは視線を活字から肉に移した。


「味見して?」

爪楊枝に刺さった肉を2人に渡せばレイヴンはどう?と首を傾げる。
ゼロスはそれを口に運ぶと、味はさっぱり分からないものの柔らかく口の中で蕩ける様な感触はきっとおいしいのだろうと思う。
隣のリタも文句を言う事も無く一口で飲みこんだ。
感想を聞くレイヴンにリタは「まぁまぁなんじゃない?」と何とも素っ気ない返答を返したが。

「……リタちゃんは素直でねーのな」

「う、うっさい!」

「リタっちにはそれがほめ言葉だもんねー?」

「ち、ちちちっ違うわよ馬鹿!」

それにゼロスとレイヴンが揃ってからかえばリタは真っ赤な顔をしながら否定したのであった。


















ACT.7



















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