サガ小説

□クオリティ・オブ・ライフ
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いままで、こんなにも強烈に俺の心を刺激した、かつ唖然とさせた男はいなかった。


それだけは確かで、包丁を剣と同じように掴むグスタフに俺は唖然とするしかなかった。




『クオリティ・オブ・ライフ』





事の始まりは今日は発掘が終わった次の日だから、ゆっくり休もうと二人で決めて。
どうせだから今日は食堂に行かずに何か作ろうと二人で買い物に出かけた。

荷物持ちをグスタフが進んで買って出てきたので、まぁあんまり買わないけどと思いつつ任せて置いた。


そして、マスターに厨房の使わない時間帯を聞いて間借りさせて貰い、ついでにエプロンも借りてそこに入った。
まぁ、グスタフのその格好の似合わない事、俺はやつに似合わないな、と笑い飛ばしてやりながら豆腐を袋から取り出しグスタフに切ってくれと頼んだのだが。






「お前・・・・料理経験ないの?」


そこで話は冒頭に帰る。

いくらなんでもその持ち方は無いだろうと相手を見る。しかしグスタフは何が可笑しいのかというような視線で、俺はそう言うも相手は首をかしげるのみだった。


「・・・・・・無い。何かおかしいか?」

「いや、おかしいとかおかしくないとか言う以前の問題があるぞ?」


どういう生活を営んできたんだとロベルトはさすがに不安になった。
まさか包丁の持ち方も知らないなんて。と。

とりあえずごほんと咳払いをすればロベルトは自分も包丁を掴んで見せた。


「あのな、包丁はこう持つもんだぜ?」

そして相手に見せ付けるようにして差し出すと、グスタフも合点がいったらしい。
正しい持ち方になった。

これで俺もまず味噌汁を作る準備が出来ると鍋を取ろうと下の戸棚を開けた。


その時。






ぐしゃ。






・・・・・・・・あぁ、音で何が起きたか解ってしまったよ。








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