サガ小説

□新しき日々を
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あぁ、確かに俺は言ったさ。

自分の誕生日もろくに祝わないなんてこの世のアニマと、両親と、お前に食われた動物にだって。


それに俺に対してだって失礼だと。




お前は生きていて良い人間だし、誰にも文句はいわれる筋合いだって無いはずだ。
そりゃあお前は無愛想だし、何考えているかわかんねぇ時もあるし、素性だってわかんねぇ。
でも、それとこれは別物だろう?

…だから、生まれてきてありがとうって俺から祝わせろ、と。


うん、確かに去年言った。
出会って一年、誕生日を言わなかったあいつに対し、問い詰めて聞き出した俺の成果だが。

過ぎてしまったものは仕方ないが次は絶対に何か祝わせろ、と脅しのように言った。


















・・・・・・でも、

これは無いんじゃないでしょうか、グスタフよ。






『新しき日々を』





夜中に聞いて欲しい、と言う言葉に従い彼の誕生日であるこの日、ロベルトはささやかなプレゼントとしてワインを一つを持って彼のいる部屋のドアをコンコンと叩いた。


「グスタフ、俺。入るぜ?」

そして相手の返事が返ってくる前にロベルトは部屋を空けると中に足を踏み入れた。

剣の手入れをしていたと思われるグスタフが此方を向き、二人の目が合えば、ロベルトはワインを掲げて笑みを浮かべた。
グスタフもそれを見れば口はしに笑みを浮かべると今まで手入れをしていた炎の剣を鞘に戻してベッドの横に立てかけた。

「まず、・・・・誕生日、おめでとう。だな?これは先ず気持ちだと思えよ。」

それを見れば、ロベルトは相手に祝いの言葉をかけ、
そのまま宿備え付けのグラスを取ってテーブルに置き並々とワインを注ぎながらにそういった。

グスタフはそれまではベッドに座っていたのだがそれにあわせて立ち上がるとロベルトの向かいに腰を下ろした。






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