響き合う物語

□壊れる音1.5
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「ロイド」

「ゼロ……うわ!?」




いつものようにロイドの部屋にはゼロスがいて。
食事の時間はゼロスは親子水入らずで、とどこかに行ってしまっていたが、寝る時間ともなればロイドの部屋にゼロスは戻ってきていた。

明日、クラトスがデリスカーラーンにと行ってしまう。
それは確かに……さびしいけども。



実際に死んだと思っていた本当の父さんに会えて。
気持ちも自分と一緒で、エクスフィアがあることをいけないと思っている。
気持ちを同じくした父親だからこそ、ロイドは大丈夫と思っていた。

部屋に戻って、開いた時間に作っていた小さなアクセサリー。
ゼロスとおそろいのものでも作ろうかと、毎日精を出して作っている、今のところの自分の最高傑作。

そのブレスレットはもう直ぐ、あとひと手間で完成だ。
旅の間、一緒に。
いつまでも一緒だという意味を込めて。そう思ってそれなりに急いで作っていたのだが。
突然帰って来たゼロスの抱きつかれた。

後ろから来るのはそれなりに慣れていたし、じゃれついてくる相手をあしらうのも慣れてきた。



……それを本人にいったら怒られたけど。




そんな中で、じゃれついてくる時の甘えた声ではなく、情事に使われる艶のある声で呼ばれればロイドは驚いてゼロスの方に向き直った。
その甘すぎる声の余韻が残ってしまった耳を押さえて。

そんなロイドを気にすることなくゼロスはロイドに抱きついて来て。









「……したい」

また、甘い声でそう囁かれた。
ゼロスはロイドにとって、今は可愛い恋人である。
そんな彼からのこんなお誘い。

最近は何故か疲れたから、とかロイド君家で出来るわけないじゃん、とかでロイドが誘っても断られることが多かったそれ。
ゼロスとそう言う仲になってから、ロイドの中でも性欲は生まれていて。
ゼロスからの誘いを断ることは出来なかった。


「……まったく、なんでお前ってこんなに気まぐれなんだよ」

それでも、自分が誘っても嫌だという事が多かった相手にちょっとだけの抵抗心をこめて言えばゼロスは、寂しげに笑って。

「だって……やっぱかまってくれないと寂しいじゃん?」

そう言いながらゼロスがロイドの唇に己の唇を押しつけて舌を押し込んで来て。
ロイドもそのキスに応えながら、身体を起こすとゼロスの身体を姫抱きにして持ち上げるとベットに運んだのである。


「いっとくけど、そんなに煽ると明日きついのお前なんだからな」

そう、後の保証は出来ないと言い置いて。


「……うん。クラトスに構いっきりだった分、俺さまをめいっぱい愛してよ」

それでもまだ、笑顔で煽るようなことをいうゼロスにロイドはもう知らないと、ブレスレットをそのままにゼロスの身体に覆いかぶさったのである。














1.5




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