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「どけぇぇえええ!!」

「悪いけど……手加減はしてかないぜ!」

上に駆け上がる階段を、2人の男が一気に駆け抜ける。
階段を塞ぐようにしている魔物は、まずユーリが真正面のを蹴り上げ、その横のをガイが横薙ぎに鞘で打ち付ける。
狭い所で蹴られ、なぎ張られた魔物は壁に激突、もしくは近くの魔物にぶつかりそのまま階段を転げ落ちていく。落ちてくる魔物を踏みつけ、飛び越え2人はひたすらにもと居た場所を目指してただ一心に走り続けていた。
途中、外に向かう場所を見つけた際に、ゼロスの妹、セレスをレイヴンに頼んだ。
レイヴン一人に任せるには多少無理があるのではないかとガイは思ったのだが、大丈夫とウインクする姿に任せる事にしたのだ。




「ユーリ!そこは左だったはず!」

「おし!」

階段を駆け上がった先、二手に分かれた道、そこに辿りつく前にガイが道を示せばユーリは飛び出て来た狼型の魔物を一払いして先に進む。
後に続くように割れた石の道を踏みながらガイも続いた。

「だけど、本当にレイヴンは大丈夫なのかい?彼は確かに接近戦も出来るようだけど……彼は弓遣いだろう?」

しかし、分かれた相手も気になる。
ガイは、ちらりと既に姿も見えないレイヴンの姿を思う。
大丈夫だと言うからにはきっと、何か策があるのかもしれないが、セレスを連れている分更に不利なはずなのだ。

「大丈夫、おっさんはちょっと事情を隠しててな。内緒だけど剣の腕も俺より上なんだよっな……と!」

「おわっ!」

と、話しているうちに突然ユーリが足を止め、後ろに飛び退く。
その突然の行動に、走っていたガイもぶつかりそうになり慌てて横に退けば、どうしたのかと見上げた視界の先に。


「……ゴーレムとはまた……面倒なのが」

「これは蹴りや峰うちじゃあ避けてはくれない、よなぁ」

ずぅうん、と音を立てて前を塞ぐ巨漢。
2人の身長よりも更に2倍以上ある高さに、横の道を腕を振り上げれば確実に塞いでしまう横幅。
それが、続いて3人も並べば横を通りぬける事も不可能。

「仕方ねぇ……飛ばしていくぞ!!」

「俺の本気、見せてやるぜ!」

時間は、一刻も争う。
本当はゼロスのいる所まで力は温存しておかなければ、と考えていたのも二人で目を合わせれば頷き合い、その力を一気に解放するのである。

















秘めたるもの・3









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