殿下と仲間達

□悲しい真実
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※ピオニー殿下時代のお話。
ついでに身長がジェイド186(公式)ピオニー179(造程)です。





「おまっ………!!」

「おや、お久しぶりですね。殿下。」



ピオニーが久々にジェイドを見て思った事は。


「なんでんなに伸びてるんだよーー!!?」


それは、髪が背中にかかるほど伸びていた事では無く。
笑顔で嫌味を言うような性格にでも無く。
ピオニーに対し、『殿下』と呼ぶようになった事でもなく。

悲しい真実






「殿下?」


「煩い。寄るな。」


「なんでそんなに不機嫌なんですか?貴方が呼んだから折角こうして仕事がたまってるのにも関わらず面倒くさい思いをして来てあげたのでしょう?」

ピオニーの私室。呼び出したのは確かにピオニーだった。
軍属に付き、仕事もそれなりにあるジェイドに取ってピオニーからの呼び出しは、ピオニーが王宮に呼び出されて2日目の事だった。
ピオニーの性格上、それはあり得る事だと思っていたジェイドはやはりかかった己への呼び出しにため息を付きつつ、久々に彼に会いにその部屋を叩いたのだが。



最初の一言が人を指してその一言。そして、ぶすくれてソファに座り、透明なテーブルに頭を伏せていた。

「…人を呼んで置いてなんですかその態度は。帰りますよ?」

「……」

呆れまじりにジェイドは言うがピオニーは黙ったまま動かない。

ザァザァと滝が落ちる音だけが響いた。

「……ピオニー」


ジェイドは改めて溜め息を付いてから、あたりに自分達以外の気配の無い事を確かめケテルブルクを出ていらい呼ばなくなった彼のファーストネームを呼んだ。
「………ズルイ。」

「だから、何が。」


主語の抜けた言葉にジェイドは多少の苛立ちを隠せずに問う。

するとピオニーはゆっくりと立ち上がり彼の正面に立った。
自然にその視線は昔のように……

「……………」

「…………」

「……背、縮みました?」

「なっ?!お前が伸び過ぎなんだろうが!!」

視線は、ピオニーが上に。ジェイドが下に。


それは、ケテルブルクにいた頃と見事逆転していた。
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