「あれ、今日31日だってのに、先生も残ってたんだ」
「お前等みたいなのが、寮に残るから、俺もいなきゃいけないんだ」
当たり前だ。
先生と一緒に、年越したかったんだから。
誰があんな実家に、帰るか。
「それよりさ、食堂で年越し蕎麦食ってんだ。先生も来ない?」
「後で行くから、残しておいてほしいと、伝えてくれ」
ちぇ、つれねーの。
でも、そんな先生だから、惹かれちまうんだよな…。
「なぁ、俺が先生のこと好きっつったら、どうする?」
「あぁ?」
うっわ、すんげー迷惑そうな声。
やっぱり、男ってだけでも引くよな。
「悪い、今の冗談。男が告白したら、どんな反応するか、見たかったんだ〜」
「はぁ……教師をからかうな!!」
何でそんな、安心したような顔になんだよ。
「はーい。じゃ、俺は戻るね」
「さっさと行け」
わかってたけどさー。
大晦日に失恋って…。
あ、いつの間にか年越してるし。
よし、吹っ切んなきゃな。
あけましておめでとう。
大好きだったよ、先生。